JR九州は2日、長崎線の現川(長崎市)から肥前長田(長崎県諫早市)までの区間において、無線式の列車制御システムを活用した試験走行を実施した。このシステムは、携帯電話などで一般的に使用される公衆回線を利用して列車の運行を管理する革新的な仕組みであり、信号機などの従来設備を削減し、維持費を抑制することを目的としている。同社は令和10年度からこのシステムを順次導入する計画である。
従来システムとの違い
従来のシステムでは、線路上に敷設されたケーブルを通じて列車の位置を把握し、信号機を介して進行や停止の指示を出していた。しかし、新システムでは、司令塔の役割を果たす無線中央装置が列車の位置を特定し、無線通信を介して運転席に直接信号を送信する。これにより、線路上に設置されていた信号機などの設備が不要となり、大幅な設備削減が可能となる。
試験走行の詳細
2日午前0時過ぎ、試験車両が新システムの区間に進入した。大雨や強風を想定したシナリオのもと、中央装置で速度制限を時速45キロに設定すると、その指令が車内信号に即座に反映され、運転士は速度を制限範囲内に減速した。この一連の動作は、システムの信頼性と応答性を確認する上で重要なステップとなった。
古宮洋二社長は「ケーブルが一切不要となり、費用が削減されたことは画期的だ。将来的にはどこでも利用可能なため、このシステムを広く展開していきたい」と述べ、今後の展望に期待を示した。



