あぶくま信用金庫、震災支援の公的資金200億円を一括返済 経営健全性を回復
福島県南相馬市に本店を置くあぶくま信用金庫は13日、東日本大震災の被災を受け、金融機能強化法の特例で支援を受けた公的資金200億円を国に一括返済したことを発表しました。この返済は、同信金の経営基盤が震災前の水準を超えるまでに回復したことを示す重要な節目となっています。
震災直後の経営危機と公的資金の導入
同信金は、帰還困難区域を含む甚大な被害を受けた地域を営業エリアに抱えており、震災直後には融資先の事業休止などが相次ぎ、2011年度決算で多額の赤字を計上しました。復興に向かう被災地の資金需要に対応するため、2012年2月に公的資金を申請し、200億円の資本注入を受けています。その後は、貸倒引当金を計上していた事業者からの返済も進み、公的資金は減資させず、震災前に積み上げた内部留保の範囲内で管理されていました。
経営健全性の指標が震災前を上回る
同信金が発表した2025年度決算見込みによると、公的資金を返済した後の自己資本額は182億7500万円、自己資本比率は18.50%を確保しています。これは、震災前の2010年度の自己資本額86億9400万円、自己資本比率15.52%を大きく上回る数値であり、国内基準の4%も大幅に超える健全な経営状態を示しています。この結果は、同信金が着実に経営再建を進めてきた証と言えるでしょう。
地域金融機関としての今後の展望
太田福裕理事長は、「引き続き事業者支援、地域貢献などに取り組み、健全で持続可能な安定した経営を行うことで、地域から求められ信頼される地域金融機関を目指す」と述べています。公的資金の返済を完了したことで、同信金は新たなステージへと移行し、福島県の復興と地域経済の活性化に一層貢献することが期待されます。この動きは、被災地の金融機関の復興モデルとしても注目を集めています。