離婚や別居によって離れて暮らす親子が定期的に会い、交流を深める「面会交流(親子交流)」の支援体制を静岡県内で強化する取り組みが始まった。心理カウンセラーらが中心となり、2026年3月、一般社団法人おやこリンクサービス静岡支部を設立した。支部代表の望月有紀さん(53)は「子どもにとって親は誰にも代えがたい唯一の存在です。自然な形で無理なく、継続的な交流を実現したい」と意気込みを語る。
面会交流の重要性と新たな法制度
面会交流は、子どもが離れて暮らす親からの愛情を感じる機会となり、健全な成長を促す子どもの権利とされている。2026年4月には、子どもの利益を確保するため、離婚後に父母双方に親権を認める「共同親権」を選択可能にする改正民法が施行された。これにより、別居親との交流ルールも明確化された。
しかし、望月さんによれば、父母の対立などで関係が悪化しているケースが多く、子どもとの面会が難しいという課題がある。第三者機関が仲介することで、親同士の直接的な接触を避けられ、より円滑な交流が可能となる。県内にはこうした支援機関が少ないことから、関東で20年以上にわたり面会交流支援を行ってきた同法人が静岡支部を立ち上げた。
支援の対象と具体的なサービス内容
現在の支援対象は、静岡市、富士市、沼津市に在住し、家庭裁判所の調停や審判を通じて面会交流の規約を取得している親子である。面会方法などについて、オンラインで事前相談(5千円)を受け付ける。公共施設を利用した面会交流への付き添いや子どもの受け渡しの援助、オンラインでの交流など、依頼者の要望に応じて料金が設定される。ただし、DVなどで親子への二次被害が想定される場合は、依頼を断ることもある。
支部にはボランティアを含めて5人が携わり、心理面でのサポートに重点を置く。子どもの心の変化を見逃さないため、子どもとの面談にも力を入れる。
代表の経歴と今後の展望
心理カウンセラーの資格を持つ望月さんは、2017年ごろから主に静岡市内で、家族関係や子連れ再婚家庭(ステップファミリー)に関する相談支援に従事してきた。望月さんは「元配偶者に対して負の感情を持つ依頼者も少なくありません。怒りは二次感情であり、その裏に隠された本音を認識することが重要です。依頼者とその本音を探り、向き合うことで信頼関係を築きたい」と話す。
今後は県内で対応可能な地域を拡充する予定で、ボランティアも募集している。資格は問わない。問い合わせは一般社団法人おやこリンクサービス静岡支部(Eメール:fry.overland22@gmail.com)まで。



