米当局、AI新モデル「クロード・ミトス」で金融リスク懸念 大手銀行CEOを緊急招集
米国の規制当局が、最新の人工知能(AI)モデルを巡る深刻なサイバーリスクへの懸念から、大手銀行の最高経営責任者(CEO)らを緊急会合に招集していたことが明らかになった。この動きは、AI技術が金融業界に及ぼす潜在的な脅威に対する警戒感の高まりを浮き彫りにしている。
アンソロピックの新型AIモデルが引き金に
米新興企業アンソロピックが公開した最新のAIモデル「クロード・ミトス」は、基本ソフト(OS)やウェブブラウザーの脆弱性を特定する能力を持つとされる。この特性が、サイバー攻撃に悪用される可能性があるとして、米当局の強い懸念を呼び起こした。
ベセント米財務長官と米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、このAIモデルを使用した新たなサイバー攻撃が、金融業界の重大リスクの一つになり得るとの認識に基づき、警鐘を鳴らす形で緊急対応に乗り出した。
ワシントンでの緊急会合の詳細
米ブルームバーグ通信の報道によれば、会合は4月7日にワシントンの米財務省で開催された。参加者には、ゴールドマン・サックスのソロモンCEOをはじめとする米大手銀行のトップが名を連ねた。
会合では、以下の点が重点的に議論されたと伝えられている:
- 「クロード・ミトス」が金融システムに及ぼす可能性のある影響についての問題意識の共有。
- 銀行がサイバー攻撃を受けた場合、その影響が金融システム全体に波及する恐れがあることの確認。
- 各金融機関に対し、防御体制の強化を促す具体的な要請。
この措置は、AI技術の急速な進展に伴い、従来のセキュリティ対策では対応しきれない新たなリスクが顕在化している現状を反映している。
金融業界への波及リスクと今後の課題
当局関係者は、AIを悪用したサイバー攻撃が金融取引の混乱や顧客データの流出を引き起こせば、経済全体に深刻な打撃を与えかねないと指摘。早期の対策が不可欠であることを強調した。
今回の会合は、規制当局と金融業界が連携して、以下の課題に取り組む必要性を浮き彫りにした:
- AI技術の進化に合わせた継続的なリスク評価の実施。
- サイバーセキュリティ対策の抜本的強化と投資の促進。
- 国際的な協調体制の構築による脅威への対応。
米当局は、今後も同様の会合を定期的に開催し、AI関連リスクへの監視を強化していく方針を示している。金融業界では、この動きを受けて、セキュリティ対策の見直しが急ピッチで進められる見込みだ。



