漫画は紙とデジタルどっちがいい?脳活動測定で差を確認
漫画は紙とデジタルどっちがいい?脳活動測定で差

紙の漫画は脳に優しい?東京大学がfMRIで検証

同じ漫画を読む場合、電子書籍よりも紙の本の方が脳の余計な活動を抑えられる可能性があることが、東京大学の研究で明らかになった。酒井邦嘉教授(言語脳科学)らの研究グループが、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いて脳活動を測定し、紙の優位性を確認した。

研究グループは「社会的に文書の電子化が進み、デジタル教科書の導入などが検討されているが、知的活動や教育における紙の価値を再認識してほしい」とコメントしている。この研究成果は、6月3日付の米科学誌『プロスワン』に掲載された。

背景:紙とデジタルでの記憶・理解の差

これまでの海外の報告では、同じ文章を読んでも紙とパソコン画面では記憶や理解に違いが生じ、紙で読んだ方が読解テストや内容要約の成績が良いことが示されていた。デジタル文書は画面が瞬時に切り替わるなど、視覚的・触覚的な空間的手がかりが欠け、記憶に残りにくいと考えられるが、脳内の実際の働きは不明だった。

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実験内容:大学生25人が漫画を読む

研究グループは、首都圏の大学生・大学院生25人を対象に、未読の漫画を紙とデジタルで読んでもらう実験を実施。使用した漫画は、ザッピングストーリー形式のラブコメディーで、男女2人の主人公が登場する作品。参加者は、紙の漫画本と電子書籍(タブレット端末)の両方で読み、その際の脳活動をfMRIで計測した。

その結果、紙で読んでいる時の方が、脳の視覚野や前頭前野など、複数の領域で活動が抑制される傾向が確認された。これは、紙の方が情報処理が効率的に行われ、無駄な脳活動が少ない「省エネ」状態であることを示唆する。

紙の優位性:空間的手がかりの重要性

紙の本では、ページの厚みやめくり方、左右のページの位置関係など、物理的な空間情報が自然に得られる。こうした手がかりが、脳が情報を整理し、記憶に定着させるのに役立っている可能性がある。一方、デジタル画面ではこれらの手がかりが乏しく、脳が余計な処理を行うため、非効率になるという。

研究グループは、教育現場でのデジタル教科書導入の是非について、こうした脳科学的なエビデンスを考慮すべきだと主張。紙の持つ認知的な利点を再評価する必要があるとしている。

なお、この研究は朝日新聞の有料記事としても報じられ、詳細は紙面やウェブサイトで確認できる。

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