観光庁は27日、訪日外国人旅行者や住民以外の観光客に対して施設の入場料などを割高に設定する「二重価格」制度について議論する有識者検討会の初会合を開催しました。この制度は、増加する観光客によるオーバーツーリズム(観光公害)対策の財源として導入が検討される一方で、観光客の反発を招く可能性も指摘されています。検討会では、導入にあたっての論点を整理し、全国各地の参考となる情報を提供することを目指しています。
検討会の概要と目的
初会合では、国内および海外における二重価格の導入事例が確認されました。観光庁の村田茂樹長官は、「他の観光施設やサービスにとって、大変参考になり得る」と述べ、今後の検討の重要性を強調しました。今後、料金改定の検討経緯や改定後の動向について、関係者へのヒアリングを実施する予定です。
国内の導入事例
観光庁によると、兵庫県姫路市では3月から、姫路城の入城料について18歳以上の市外在住者を対象に、従来の1000円から2500円へと引き上げました。この増収分は施設の維持管理費などに充てられる予定です。また、北海道美瑛町では、観光名所「青い池」の町営駐車場について、普通自動車の利用料金を1回500円と設定し、町民は無料としています。
政府の要請と今後の展開
政府は全国の国立博物館や美術館に対して、2031年3月までに二重価格の導入を検討するよう要請しています。この動きは、観光公害対策としてだけでなく、文化財の保存や施設の維持管理費を確保する手段としても注目されています。検討会では、導入時の課題や観光客への影響を慎重に評価し、持続可能な観光政策の実現を目指します。



