「飛鳥・藤原の宮都」に世界遺産登録の勧告が出された。今夏の新たな世界遺産誕生に向けて大きな前進である。ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が、奈良県にある「飛鳥・藤原の宮都」について「登録」を勧告した。この遺産群は、飛鳥時代の宮殿跡や仏教寺院跡など、19の構成資産からなる。もし登録されれば、日本の古代国家形成を世界に示す重要なステップとなる。
空白を埋める7世紀の遺産
国内の文化遺産では、5世紀を中心とする「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府、2019年登録)と、平城宮跡を含む8世紀の「古都奈良の文化財」(奈良県、1998年登録)の間に、約2世紀の空白があった。「飛鳥・藤原の宮都」は、同じく7世紀の「法隆寺地域の仏教建造物」(奈良県、1993年登録)とともに、この空白を埋める。これにより、古代国家成立時の歴史像がより通史的に位置づけられることになる。
国際的な研究と保護の促進
激動する東アジア情勢の中で、日本という国家がどのように生まれたのかを世界的な視点で浮かび上がらせ、国際的な研究を加速させるだろう。また、シルクロードの終着点である「奈良」を世界にアピールする材料にもなる。さらに、遺産保護の活性化も期待される。構成資産には、飛鳥宮跡や藤原宮跡、山田寺跡、飛鳥寺跡などが含まれ、それぞれの保存状態や管理体制が評価された。
今回の勧告は、正式な登録に向けて大きな節目となる。ユネスコ世界遺産委員会は2026年夏に審議を行い、登録の可否を最終決定する。登録されれば、日本の世界遺産は26件目(文化遺産21件、自然遺産5件)となる。



