埼玉・小鹿野春まつりで華やかな山車が街道を練り歩く
埼玉県秩父盆地西部の山里に位置する小鹿野町で、「小鹿野春まつり」が18日に開催された。晴れわたった空の下、あでやかな装飾が施された山車が、昔ながらの町家が軒を連ねる街道を練り歩き、地域に熱気を吹き込んだ。
小鹿神社の例大祭でにぎわう町並み
この祭りは、小鹿野町中心部に鎮座する小鹿神社の例大祭として、毎年4月の第3金曜日と土曜日に開かれる。初日の17日に続き、2基の屋台と笠鉾(かさほこ)が繰り出し、華やかな衣装をまとった少女たちが金棒でリズムを刻みながら先導した。囃子(はやし)の演奏と合わせて祭りムードを盛り上げ、多くの観客が集まった。
二百数十年の歴史を持つ小鹿野歌舞伎の特別公演
宮沢賢治も宿泊した由緒ある旅館を改修した「観光交流館・本陣」では、小鹿野歌舞伎保存会による特別公演が行われた。小鹿野歌舞伎は二百数十年前に始まり、庶民が祭礼などの機会に演じる地歌舞伎として県無形民俗文化財に指定されている。町内6地域で伝承と後継者の育成が進められており、この日の演目は「寿曽我対面工藤館之場(ことぶきそがたいめんくどうやかたのば)」だった。
鎌倉時代に起きた曽我兄弟のあだ討ちの物語を、住民たちが熱演。父のかたきを狙う曽我十郎祐成を演じたのは、小鹿野高校3年生の村上快さん(17歳)で、春まつりの舞台を初めて踏んだ。村上さんは「いつもと違う観客で緊張した。大人になっても活動を続け、歌舞伎の伝統を守っていきたい」と語り、若い世代による文化継承への意欲を示した。
小鹿野町では、このような祭りを通じて、地域の伝統文化が大切に守られ、次世代へと引き継がれている。山車の練り歩きと歌舞伎の熱演が一体となり、山里に活気あふれる一日となった。



