カンボジア詐欺組織へ男性を送り込んだ疑いで2人逮捕 「金借りとるやつが逃げるのか」と脅迫
カンボジア詐欺組織へ男性送り込み疑いで2人逮捕 (13.02.2026)

カンボジア詐欺組織へ男性を送り込んだ疑いで2人逮捕 脅迫し空港まで連行

愛知県警を中心とする合同捜査本部は2月13日、カンボジア北西部ポイペトを拠点とする特殊詐欺事件に関連し、国外移送目的略取の疑いで、同県刈谷市の飲食店店員佐藤透容疑者(58)とガールズバー経営山下朋晃容疑者(41)の2人を逮捕しました。今回の逮捕は、詐欺組織への人員送り込みを担うリクルーター役として初めての事例となります。

「金借りとるやつが逃げるのか」と脅迫し中部空港へ

逮捕容疑によると、佐藤容疑者と山下容疑者は他の者と共謀し、昨年2月25日夜、カンボジアに移送する目的で、住所不定の無職男性(35)を愛知県安城市内の路上で車に乗せました。その際、男性のスマートフォンを取り上げ、「金借りとるやつが、逃げるのか」などと脅迫しながら、中部国際空港(同県常滑市)まで連れて行ったとされています。合同捜査本部は現時点で容疑者の認否を明らかにしていません。

男性は事件前に、債権者の知人だった佐藤容疑者からパスポートを用意するように指示されており、事件当日には「一緒に酒を飲もう」と誘われたとのことです。男性はその後、タイ経由でカンボジアに入国し、昨年2月から約3カ月間、ポイペトの詐欺拠点に滞在していました。

リクルーター役が報酬の一部を受け取っていた可能性

合同捜査本部の調査では、男性は詐欺組織からほとんど報酬を受け取っておらず、一方で佐藤容疑者ら2人が報酬の一部を受け取っていたとみられています。男性は数千万円の借金を抱えており、詐欺組織の「かけ子」として現地に送り込まれたと見られています。この事件は、借金に苦しむ個人を標的にし、海外の犯罪組織に勧誘する新たな手口として注目されています。

捜査関係者によれば、佐藤容疑者と山下容疑者は、男性を組織に引き込む役割を果たしたリクルーターとして活動していたと推測されています。今回の逮捕は、国際的な詐欺ネットワークの国内における勧誘ルートの解明に向けた重要な一歩となるでしょう。

愛知県警は今後も、カンボジアを拠点とする特殊詐欺組織と国内の協力者との関係を詳細に調査し、さらなる逮捕や組織の壊滅を目指す方針です。この事件は、海外犯罪組織が日本国内の脆弱な立場にある人々を勧誘する実態を浮き彫りにしており、社会的な対策の必要性が改めて問われています。