自転車青切符導入1カ月、利用者の反応は不満と歓迎 交通ルール再認識の契機に
自転車青切符1カ月、不満と歓迎 交通ルール再認識

自転車の交通違反に対する交通反則通告制度(青切符)が始まってから、5月1日で1カ月が経過した。不満を持つ人、利用を控える人、歓迎する人など、反応は様々だが、この制度をきっかけに交通ルールに対する意識が変わった利用者も多いようだ。

デモで訴える安全な道路整備

4月11日午後、東京・永田町の国会議事堂前を出発点に、10人ほどが自転車に乗って霞が関周辺を巡った。先頭を走ったのは東京都新宿区の会社員、大沢暁さん(42)。首には「自転車もクルマも安全に走れる道路を」というプラカードをかけていた。

このイベントは「クリティカルマス」という市民運動の一環だ。1992年に米国で始まり、集団で自転車を走らせて自転車に優しい社会の実現を訴えるもの。大沢さんは「道路のインフラが整っていないのに青切符を導入するのは問題がある」と訴える。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

車道通行の原則と現実

道路交通法上、標識がある場合などを除き、自転車は車道通行が原則だ。4月からは歩道を走行して危険と判断されれば青切符を切られる可能性が出てきた。大沢さんは子どもの送迎や通勤で自転車を利用しているが、日常的に使う道路の自転車レーン上には路上駐車が多く、車道側にはみ出して走らざるを得ないという。

「スピードを出す車の横を子どもを乗せて走ると非常に危ない」という問題意識を国に伝えたいと考え、今回のイベントを企画した。大沢さんは「青切符導入に反対しているわけではない。安全な分離式自転車レーンの整備などをしてから青切符を導入してほしい」と訴える。

自転車通行空間の現状

国土交通省によると、自転車の通行空間は全国で合計9841キロ(2024年度末時点)。2016年度の1247キロから約8倍に増えた。内訳を見ると、車道の左端に矢羽根などが描かれているものが8897キロで9割を占め、自転車レーン(専用通行帯)が679キロ。縁石などで区切られた自転車道や自転車専用道路はあわせて265キロにとどまる。

自転車通勤を控える人も

4月を機に、自転車の利用を控える人も出てきている。東京都内の会社員男性(35)は「青切符を切られるのが怖くて、自転車通勤をやめた。電車通勤に切り替えたが、時間がかかるようになった」と話す。一方、歓迎する声もあり、東京都世田谷区の主婦(48)は「歩道を暴走する自転車が減って、歩行者として安心して歩けるようになった」と評価する。

制度の導入は、交通ルールの再認識につながっている。自転車利用者の間では、信号無視や一時不停止、ながら運転などの違反行為に対する意識が高まっている。警察庁によると、4月の自転車関連の取り締まり件数は前年同月比で約2倍に増加した。

専門家は「青切符導入は自転車の交通ルール遵守を促す一歩だが、インフラ整備が追いついていない現状では、利用者の不満も理解できる。安全な自転車利用のためには、ルールの周知と同時に、走行空間の整備が急務だ」と指摘する。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ