後発地震注意情報終了も住民不安続く 山林火災で避難所課題
後発地震注意情報終了 住民の不安と避難所課題

三陸沖を震源とする20日の地震を受けて発表された「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の呼びかけは、27日午後5時に終了した。しかし、巨大地震に備えるさなか、北海道では震度5強の地震、岩手県では大規模な山林火災が発生し、住民からは「不安だ」「これ以上やめて」との声が相次いだ。

相次ぐ災害に住民不安

27日朝、北海道浦幌町で最大震度5強を観測する地震が発生した。日高地方東部に住む70代の漁業男性の自宅は太平洋沿岸部にあり、標高は数メートル。いざという時は高齢の家族を背負って高台まで逃げると決めている。27日の地震について男性は「注意情報とは無関係と聞いたが、最近は地震ばかりが目立つ。巨大地震の発生とどう関係するのか分からず、かえって不安だ」と語った。

物流会社の特別な備え

広尾町の十勝港を拠点とする物流会社「十勝海運」では、津波警報が出ると、港湾作業に当たるフォークリフトやトラックなど約70台の車両を高台の社有地に避難させる。注意情報の発表を受け、「特別な備え」として、夜間は高台に車両を駐車。27日の地震を受け、5月10日までこの措置を続けると決めた。堀田晃三専務(52)は「東日本大震災などで津波被害を体験している。最悪の状況を想定することが大切だ」と話す。

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山林火災と避難所の課題

注意情報が発表された2日後の22日、岩手県大槌町で山林火災が発生。焼損面積は1600ヘクタールを超え、27日も消火活動が続く。煙が上がる山々を見つめていた女性(70)は2011年、東日本大震災の津波で自宅を失った。以来、常に車には非常食や衣類を積み、貴重品などを手元に置いて寝る。大きな地震が起きたらすぐに逃げる準備はできているが、鎮火が見通せない火災への不安は増すばかり。再建した自宅から一番近い避難所には、すでに100人近い人が火災から逃れるために身を寄せている。「地震から津波警報、火災と続いて。これ以上もうやめてほしい。もし津波も来たら、どこに逃げられるのか。そんな不安の中で生活するのは疲れる」と訴える。

避難所の立地問題

避難所をめぐっては、複数の災害に直面したときの課題も浮き彫りになった。火の手が迫る地域の人たちのために設けた避難所の一部は、最大クラスの津波で浸水する地域にある。町公民館の吉里吉里分館もその一つ。初めは少し離れた小学校が避難所だったが、すぐ裏手の山に火が移り、24日に開設された。公民館の芳賀博典館長(74)は「ここは調理設備もあり、日当たりが良くて温かい。後発地震が起きれば別の場所に行く必要があるが、山火事は持久戦。臨機応変に対応すべきだ」と話す。

備えの確認進む一方、行動は限定的

20日、階上町で最大震度5強を観測した青森県内では、備えの確認が進んだ。三沢市の人材コンサルタント会社員、種市依里さん(39)は、災害用グッズや数日分の着替えなどを入れたリュックを居間に置き、すぐ持ち出せるようにした。リュックは昨年12月、注意情報が初めて発表された時に用意し、非常食や水も買い足した。注意情報の呼びかけが終わっても、巨大地震はいつ発生するか分からない。「自分のことより、まず子どもの身を守りたい」。学校で防災を学ぶ子どもと一緒に必要な物を確認しながら備えを続けるつもりだ。

各地でそれぞれの防災行動をとった人もいる中、東京大学防災情報研究センターが後発地震注意情報の対象地域の住民を対象に実施した調査では、情報の認知度は高まったものの、具体的な行動をとった人は限定的だった状況も見えてくる。認知度は向上したが、「特に何も行動とらず」と回答した人は22.9%に上った。

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