東京都教育委員会は、都立学校向けの「学校危機管理マニュアル」を改訂し、部活動における移動手段について「公共交通機関の利用を原則とする」との方針を明記した。これは、福島県郡山市の磐越自動車道で5月に発生した、新潟県の私立高校生18人が死傷した部活動遠征中のバス事故を受けた措置である。
マニュアル改訂の背景
同事故は、部活動の遠征中に貸し切りバスが事故に遭い、多くの生徒が死傷した痛ましい出来事だった。これを受け、東京都教育委員会は迅速に対応し、事故発生から約1か月後の5月29日付でマニュアルの改訂と新たなチェックリストの配布を実施した。チェックリストは都立校だけでなく、私立中学・高校を含む各学校にも提供されている。
改訂の主な内容
改訂されたマニュアルでは、部活動での移動は原則として公共交通機関を利用することを基本方針としている。ただし、やむを得ず貸し切りバスを利用する場合には、以下の項目を徹底するよう定めている。
- 事業者や車両の安全確認を徹底すること
- 顧問教員などが同乗し、状況に応じて行程変更や中止を判断すること
これらの措置により、生徒の安全を最優先とした移動体制を確立することを目指している。
チェックリストの詳細
新たに作成されたチェックリストは、貸し切りバス利用の1か月前、当日、終了後の3つの段階に分けられ、合計22項目の確認事項が設定されている。主な項目は以下の通りである。
- 保護者への事前の情報共有
- 乗車中のシートベルト着用の徹底
- 「ヒヤリハット」事例の取りまとめと再発防止策の検討
これらのチェックは、引率担当教員と副校長がそれぞれ実施し、都立校には実施報告と3年間のリスト保存が義務付けられた。これにより、安全対策の継続的な改善が図られる。
実態調査の実施
東京都は5月、都立256校と私立中学・高校など430校を対象に、部活動での移動手段や安全確保の状況に関する実態調査を実施した。その結果、特に問題となるケースは確認されなかったとしている。しかし、今回のマニュアル改訂により、さらなる安全対策の徹底が期待される。
今回の措置は、学校現場における安全管理の重要性を再認識させるものであり、他の自治体にも波及する可能性がある。教育委員会は今後も、生徒の安全を最優先にした対策を継続していく方針である。



