日本の旅客機が誇る時間通りの運航が、近年揺らぎを見せている。2024年度の国内線における定時運航率は約8割にとどまり、統計が残る2000年度以降で過去最低を記録した。背景には、新型コロナウイルス禍を経た利用者層の変化や、航空機の過密ダイヤが指摘されている。
定時運航率の現状
国土交通省は、予定時刻から15分以内に出発・到着した便の割合を「定時運航率」と定義し、日本の航空各社が運航する国内線の状況をまとめている。2000年度から2010年度までは90%前後で推移していたが、2024年度は84.33%と過去最低を記録した。航空会社別では、格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンが最も低く78.15%、次いで全日本空輸(ANA)が82.73%、日本航空(JAL)が83.7%となっている。
2025年度についても、現時点で公表されている4月から9月の月別実績では、6月を除き前年度を下回っており、改善の兆しは見られない。
到着定時率の悪化
乗客にとってより重要な到着の定時率は、2024年度に80.89%となった。ANAが78.15%、JALが79.69%と、大手2社とも8割を下回る結果となった。この状況を受け、国土交通省は2025年3月、航空各社が加盟する定期航空協会に対して改善を求める要請を出す事態となった。
原因と背景
なぜ時間通りに飛べないのか。国交省は要因の一つとして、コロナ禍を経た乗客層の変化を挙げる。コロナ禍でオンライン会議が普及したことにより、ビジネス客の需要が減少し、代わりにレジャー客やLCC利用者が増加した。レジャー客は搭乗手続きに時間がかかる傾向があり、遅延の一因となっている。また、航空機の小型化も影響している。従来の大型機から小型機への置き換えが進み、便数は増えたものの、1機あたりの座席数が減少。その結果、運航スケジュールが過密になり、少しの遅れが連鎖的に拡大しやすくなっている。
今後の見通し
ゴールデンウィーク期間中は特に混雑が予想され、定時運航率のさらなる低下が懸念される。国交省は航空各社に対し、運航スケジュールの見直しや地上業務の効率化を求めているが、抜本的な改善には時間がかかるとみられる。旅行者は余裕を持ったスケジュールを組み、遅延に備えることが推奨される。



