政府と自民党の意見対立が続く再審制度の見直しについて、1986年に福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件で無実を訴えながら殺人罪で服役し、2025年8月に再審無罪が確定した前川彰司さん(60)は「検察による不服申し立て(抗告)があったから、長い闘いを強いられた。抗告禁止と、証拠の全面開示を強く求めたい」と切に訴えている。
検察の抗告に苦しめられた長い闘い
検察の抗告に自身も苦しめられ、人生の長い時間を奪われた。2004年に提起した第1次再審請求で、2011年にいったんは再審開始が決まった。しかし、検察の異議申し立てで2年後に取り消され、その後、再審無罪につながる第2次請求にこぎつけるまで10年近くを要した。当時の心境を「絶望に近い感情で、永遠に裁判が続くような不安になる日々だった」と振り返る。
法務省再修正案への懸念
法務省の再修正案では、検察の抗告は「原則禁止」と示された。前川さんは一定の前進を評価しながらも「『十分な理由』があれば、例外的に抗告できるのではないかと不安が残る。『抗告は全面禁止』と明記してほしい」と強調する。
証拠全面開示の重要性
さらに、現在の刑事訴訟法には検察側に証拠開示させる明確なルールはない。自身の再審無罪は、裁判所の強い求めで開示された捜査資料などの証拠が大きな決め手となった。前川さんは、証拠の全面開示は再審制度改正の「もうひとつの柱」と位置づける。
稲田朋美元防衛相の発言に期待
今月6日に自民党の部会で稲田朋美衆院議員(福井1区)は「1ミリも、私たちの言うことを聞かないじゃないですか」と怒号を上げた。稲田朋美元防衛相が今月6日の党会合で法務省を批判する姿勢を見せたことに、前川さんは「あの発言で、自分の心にも火がついた。再審制度の改正にさらに関心が高まってほしい」と期待する。



