学校法人「平成医療学園」(大阪市)が運営する宝塚医療大学(兵庫県宝塚市)などにおいて、理事長・岸野雅方氏の関係法人への貸し付けや仮払金の支出が繰り返され、資金繰りの悪化を招いていたことが、第三者委員会の調査で明らかになった。一部の取引について、第三者委は私立学校法違反を指摘している。
第三者委が設置された経緯
同学園は文部科学省から運営上の問題を指摘され、2025年10月に外部弁護士らによる第三者委員会を設置。調査報告書は2026年4月にまとめられた。
同学園の公表資料によると、2024年度決算では約12億6800万円が回収困難な「徴収不能引当金」に計上されている。読売新聞が入手した調査報告書では、第三者委が計10団体との取引などを調査。リスクの高い取引が頻発し、「学校法人の運営に支障をきたす状況に陥っている」と認定した。
具体的な違反行為
第三者委の調査報告書は、3団体との取引で、理事会での承認手続きを欠く私学法違反を認めた。このうち、岸野氏が理事長を務める社会福祉法人「山の子会」(兵庫県芦屋市)には、2023年4月以降、貸付金や仮払金として7億2800万円を支出。利益相反取引に当たるが、私学法で義務付けられている理事会の事前承認を得ていなかった。
第三者委は一連の資金運用について、着服などは認められないものの、理事長の専断的な運営が常態化し、財務への悪影響につながったと結論付けた。
理事長側の反応
岸野理事長は「現在、策定中の改善計画により適切に対応する」とのコメントを発表。代理人弁護士は取材に対し「手続きについての認識が甘かった。私的利益の追求や着服はない」と説明している。
別の問題も発覚
同学園では他にも、国が研究者に支給する「科学研究費」を職員への給与支払いに一時的に充てていたことが判明しており、別の第三者委が調査を進めている。
学園の概要
平成医療学園は、全国柔整鍼灸協同組合を母体に2001年に設立された。宝塚医療大学と六つの医療系専門学校を運営し、学生総数は2025年5月1日現在で約4200人に上る。



