群馬県の草津温泉で知られる名物「湯もみショー」を運営する草津温泉観光協会が、慢性的な人材不足の解消に向けて、短時間や単発で働く「スポットワーク(スキマバイト)」を活用している。観光客がスキマバイトから担い手として定着した事例もあり、関係者は「人材確保の一助になる」と手応えを感じている。
「湯もみショー」の現状と課題
ショーでは、着物姿の女性が草津節に合わせ、板で湯をかき回す伝統文化の湯もみと踊りを披露する。1日6公演が行われている。会場の熱乃湯に立つのは平均年齢50歳超の「湯もみガールズ」。1公演の出演者は、かつて15人いた時もあったが、コロナ禍などを経て6人に減少した。地域住民らが兼業で担っているが、大雪の時には出演者がそろわないことがあり、繁忙期には一部に負担が偏ることが悩みだった。
新規メンバーの開拓を図っても、伝統文化が重しになったのか敬遠された。ガールズの1人で、採用も担当する坂田利恵さん(53)は「求人広告などを使ったが、なかなか応募がこなかった」と話す。
スキマバイト導入の経緯と効果
ハードルを下げるため、草津温泉観光協会は、昨年5月からスポットワーク大手「シェアフル」の活用を開始した。条件は1回3時間程度と短時間で、さらに気軽に応募できるように、ショーへの出演に限らず、来場者の案内などを担うスタッフとして募集した。
この取り組みにより、観光客がスキマバイトをきっかけに「湯もみガールズ」として定着するケースも出てきた。坂田さんは「気軽に参加できることで、伝統文化への敷居が低くなった。人材確保の新たな手段として期待している」と語る。
今後の展望
草津温泉観光協会は、今後もスキマバイトを継続し、さらに多くの人材を確保したい考えだ。湯もみショーの伝統を守りつつ、新しい働き方で人材不足を解消する試みは、他の観光地でも参考になりそうだ。



