任侠電器第32回:香苗、警察行きに反対する日村の真意
任侠電器第32回:香苗の警察行きに日村が反対

任侠電器 第32回 今野敏

「だったら……」香苗が言う。「だったらなおさら、私が警察に行って話をしなきゃ」

「落ち着け」日村が制する。

「落ち着いてる場合じゃないでしょう?」香苗は反論する。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

「甘糟さんは、おまえがここに出入りしていることを知っている」日村は淡々と告げる。

「え……?」香苗は怪訝そうな顔をした。

日村はさらに続ける。「ということは、上司の仙川係長も知っているということだろう」

「だから何なの?」香苗は苛立つ。

「そういう場合、警察はおまえを我々の身内扱いする。何を言っても耳を貸さない恐れがある」日村は冷静に説明する。

「だからって、放っておけないでしょう」香苗は譲らない。

「放っておいているわけじゃない。テツは、SNSなんかのネット情報を調べているし、稔も真吉も話を聞いて回っている」日村は仲間の動きを伝える。

香苗は、テツ、稔、真吉の三人の顔を順に見た。日村に視線を戻すと、香苗は言った。「そっか。みんなも健一さんを助けようとしているんだね」

日村はこたえた。「とにかく、何が起きたかをちゃんと知る必要がある。おまえを待ち伏せしたやつは、同級生なのか?」

「同じクラスのやつが二人。別のクラスのやつが一人。その別のクラスのやつってのが、ヤバいやつでさ。同じクラスのやつらが、私を脅すために呼んできたらしい」香苗は事情を説明する。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ