入札を発注する行政側が談合に関与する「官製談合」が後を絶たない状況を受け、公正取引委員会は27日、国や地方自治体、政府出資法人などにおける対策の実態をまとめた調査報告書を公表した。公取委が有効と位置づけた19項目の対策のうち、研修やマニュアル策定など10項目については、実施していると回答した機関の割合が20%台以下にとどまることが判明した。公取委の幹部は「対策がまだまだ進んでいない」と指摘し、問題意識の低さを懸念している。
背景と調査の概要
公取委によると、官製談合防止法違反などで有罪判決が確定した事件は、昨年までの5年間で約80件に上る。今月22日には、公取委が首都高速道路をめぐる談合を官製談合と認定するなど、依然として深刻な状況が続いている。こうした背景から、公取委は8年ぶりに官製談合の対策状況について大規模な調査を実施した。
調査の対象は、省庁や都道府県、市区町村、政府出資法人など2474機関に及び、アンケートや聞き取りを通じて実態を把握した。全体的には、対策を実施していると回答した機関の割合が前回の調査時よりも増加したものの、依然として課題が残ることが明らかになった。
対策の進捗状況
公取委が有効と掲げた19項目の対策のうち、「入札結果の分析」や「業者と関わる上での注意点の規定」など10項目については、実施している機関の割合が20%台以下だった。一方で、「工事の仕様書を担当者以外で確認する体制の整備」や「公益通報窓口の設置」など5項目は5割を超えており、対策の進捗にばらつきが見られる。
問題意識の低さが原因
公取委は、対策が十分に進んでいない原因の一つとして、問題意識の低さを挙げている。特に、官製談合の違反歴がない機関は、違反歴がある機関に比べて研修の実施割合が約4倍低いことが判明した。公取委経済取引局総務課の岩下生知課長は27日の記者会見で、「事件を他人事と捉えている機関が多い。研修会に公取委の講師を派遣するなどの取り組みをさらに強化していきたい」と述べ、今後の対策強化に意欲を示した。
今後の展望
公取委は、今回の調査結果を踏まえ、各機関に対して対策の徹底を促すとともに、研修やマニュアル策定などの具体的な取り組みを支援していく方針だ。また、官製談合の未然防止に向け、入札プロセスの透明性向上や内部通報制度の活用促進など、多角的なアプローチが求められている。



