福岡拘置所内で約10年間にわたって監視カメラが設置された居室に収容され、精神的苦痛を被ったとして、特定危険指定暴力団・工藤会の幹部である菊地敬吾被告(53)が国に対し1672万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。この裁判の第1回口頭弁論が28日、福岡地方裁判所で開かれた。
原告側の主張
原告側は「プライバシー権が著しく侵害された」と主張し、国側は請求の棄却を求めた。訴状によると、菊地被告は2014年10月から2024年7月までの間、福岡拘置所内のカメラ室に収容されていた。
この居室では、便器での排泄の様子も確認できるほか、夜間もカメラ用の照明と常夜灯が常時点灯され、消灯前とほぼ同じ明るさだったと原告側は主張している。2024年7月以降は、カメラのない居室に移されたという。
原告側は、カメラ室への収容にあたっては拘置所長が必要かつ合理的なものとして是認するかどうか検討すべきだったにもかかわらず、漫然と決定したと指摘。「プライバシーの制約の程度が大きいことに対し、カメラ室に収容する必要性は見いだせない」と訴えている。
また、原告はたびたび不満を訴え、理由の説明を求めたが、十分な説明がなかったとしている。
国側の立場
福岡拘置所は「訴訟に関わることについて回答を差し控えたい。今後訴訟の場において主張をしてまいりたい」とコメントした。
本件は、拘置所内での監視カメラの運用が受刑者の人権にどのような影響を与えるかが問われる重要な裁判として注目されている。



