弁護士が鳥取県を提訴 被疑者への差し入れ拒否で接見交通権侵害を主張
弁護士が鳥取県を提訴 差し入れ拒否で権利侵害主張

鳥取市の県弁護士会に所属する男性弁護士が、取り調べ中の被疑者への差し入れを警察署員に拒否されたとして、鳥取県を相手に約55万円の損害賠償を求める訴えを地裁に起こしたことが明らかになりました。この事件は、刑事手続きにおける弁護権の重要性を浮き彫りにするものとして注目を集めています。

差し入れ拒否の経緯と弁護士の主張

訴状によると、弁護士は2024年9月20日、窃盗容疑で鳥取署に逮捕された同市の50歳代の無職女性から要請を受け、当番弁護士として同署で接見を行いました。その際、弁護士は女性に、取り調べの内容を記録するための日本弁護士連合会作成の「被疑者ノート」と自身の名刺を渡そうとしました。

しかし、同署の署員が、女性が別の警察署で留置される予定であることを理由に、「そもそも差し入れをする土台に乗っていないので、できない」と拒否したのです。この対応について、弁護士は刑事訴訟法で認められた接見交通権と、憲法が保障する弁護権が侵害されたと主張しています。

県警の対応と今後の展開

鳥取県警の監察課は、この件について「コメントは差し控える。内容を精査し、適切に対応していく」と述べ、現時点では詳細な見解を明らかにしていません。この訴訟は、警察の取り調べ環境と被疑者の権利保護を巡る議論を再燃させる可能性があります。

弁護士側は、差し入れ拒否が被疑者の防御権を損なう行為であると指摘し、法的な救済を求めています。今後の裁判の行方が、同様のケースにおける指針となることが期待されます。