宇宙産業への積極的な参入を道内企業に呼びかける「HOKKAIDO SPACE SUMMIT, SAPPORO LINK 2026」(スペースコタン主催)が2日、札幌市内のホテルで開かれた。自動車会社や旅行会社など幅広い業界から約300人が集まり、「宇宙から見える、新しいビジネスの地平」をテーマに交流を深めた。
札幌で初の開催、宇宙ビジネスの可能性を探る
このサミットは、10月に帯広市で恒例開催される「北海道宇宙サミット」に先立ち、道内経済の中心地である札幌で初めて開催された。ロケット開発から宇宙産業の周辺分野での各業種の関わり方まで、5時間にわたり講演やトークセッションが行われた。
冒頭、大樹町で商業宇宙港を運営するスペースコタンの小田切義憲社長は「日本が目指す2030年代前半頃の年間30本のロケット打ち上げに向け、地域の皆さんと一緒に宇宙版シリコンバレーを構築したい」とあいさつ。経済産業省北海道経済産業局の浦田秀行局長は「産学官が連携した産業集積にとって大きな強みである、民間に開かれた宇宙港・北海道スペースポートを生かし、ぜひ宇宙に挑戦してほしい」と述べた。
ロケット開発の最前線
2部構成のトークセッションの第1部は「組んで作る」をテーマに、小型ロケット「ZERO(ゼロ)」の最新開発状況が紹介された。開発に取り組むインターステラテクノロジズ(大樹町)の小谷将太さんは、大樹町での燃焼実験の映像を交え、圧力・流量ともに大きなエンジンを特殊加工する難しさを解説した。
ZEROのエンジンには、トヨタ自動車北海道(苫小牧市)が長年培ったものづくりの視点が生かされている。同社の鈴木毅裕さんは「ロケットと自動車は異なる分野だが、我々にも宇宙産業を下支えできる。チャレンジ精神を持ち、幅広い企業に参入してほしい」と呼びかけた。
気球遊覧構想で宇宙と地球をつなぐ
宇宙開発の周辺産業を考える「ニアスペースの未来」をテーマにした第2部では、気球による宇宙遊覧を目指す岩谷技研(江別市)の岩谷圭介さんが登壇。同社は高度2万5000メートルの成層圏での気球の商業運航実現に向け、旅行大手JTBや日本航空と、旅行の手配業務やパイロットの育成などで協力を進めている。他の業種の企業にも、宇宙と地球をつなぐ周辺事業への協力を求めている。
岩谷さんは「これから北海道の宇宙産業はますます活発になる。今まで人間ができなかった宇宙遊覧を、北海道から世界中に展開したい」と構想を語った。



