東京都、AI活用の感染症監視システムを導入へ
東京都は、新型コロナウイルスなどの感染症対策として、人工知能(AI)を活用した新たな監視システムを導入する方針を固めた。関係者への取材で明らかになった。
このシステムは、駅や商業施設など都内の主要な公共空間に設置された防犯カメラの映像をAIがリアルタイムで解析する。具体的には、マスクの着用率や人と人との距離、混雑度などを数値化し、感染リスクの高いエリアを特定する。収集されたデータは、東京都の感染症対策本部に集約され、迅速な対策の立案に活用される。
システムの特徴と目的
- 早期警戒機能: AIが過去のデータと照合し、感染拡大の兆候を自動検知。異常値が検出された場合、即座に関係機関に警告が送られる。
- プライバシーへの配慮: 映像は個人が特定できない形に加工され、顔認識技術は使用しない。データは暗号化され、外部への漏洩を防ぐ。
- 実証実験の結果: 昨年、都内の一部地域で実施した実証実験では、マスク着用率の変動と感染者の増加に相関関係が確認され、システムの有効性が示された。
今後のスケジュール
東京都は、今年度中にシステムの本格運用を開始する予定。初年度は都内の主要駅や商業施設など約500か所にカメラを設置し、段階的に拡大する。総事業費は約50億円を見込んでいる。
小池知事は記者会見で、「AI技術を活用し、都民の安全・安心を守る新たな対策を講じる。プライバシーに最大限配慮しながら、効果的な感染症対策を実現したい」と述べた。
専門家の見解
一方、識者からはプライバシー侵害の懸念や、監視社会につながる可能性を指摘する声も上がっている。情報法制の専門家である東京大学の教授は、「データの取り扱いや目的外利用の防止など、厳格なルール作りが不可欠だ」と警鐘を鳴らす。
東京都は、第三者機関による監視や定期的な報告の義務化など、透明性を確保する仕組みを導入するとしている。



