子どもの権利守る第三者機関、全国に広がる 教員や保護者以外の立場で相談受け付け
子どもの権利守る第三者機関、全国に広がる

子どもが権利を侵害されたときに相談したり、救済を求めたりできる第三者機関の設置が、全国の自治体で少しずつ広がっている。国連NGO「子どもの権利条約総合研究所」の調べでは、1月現在で全国約60の自治体が「子どもの権利救済委員」などの名称で設置している。子どもが安心して相談できる態勢をどうつくっていくか、人材確保などの課題もある。

第三者機関の役割と現状

学校などでのいじめや体罰、保護者らからの虐待、自分の思っていることや感じていることを自由に言えない――。子どもの権利については、侵害されている様々な状況がある。第三者機関は、教員でも保護者でもない中立な立場から子どもの声を聞き、救済を図る役割を担う。これにより、子どもが安心して悩みを打ち明けられる環境が整えられる。

こどもの権利条例や第三者機関について考えた検討会が2025年10月24日、大阪府富田林市で開催された。同市は2026年7月に「市こどもの権利条例」を施行し、2027年度を目標に第三者機関として「こどもの権利擁護委員会」を設置する予定だ。

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富田林市の取り組み

富田林市は2年をかけて条例の内容を検討し、専門家や子どもたちから意見を聞いた。市の担当者は「子どもが相談できる力、相談してもいいという認識を持てるよう、周知活動を進めたい」と話す。具体的には、学校や地域での出前講座、リーフレットの配布などを通じて、子ども自身が権利について理解し、必要な時に相談できるようにする方針だ。

専門家の視点

エコノミストの崔真淑氏は「親として読むと、子どもが親にも先生にも言えないことを受け止める第三者の存在は、とても大切だと感じます。家庭や学校に愛情や善意があっても、子どもにとっては『言えない関係』になることがある。相談できる場所を持つこと自体が、子どもの安心と権利を守ることにつながる」とコメントしている。

東京大学大学院教育学研究科の本田由紀教授は「2024年9月に日本弁護士連合会が子どもの権利条約を踏まえ、子どもの権利保障のために、地方公共団体の子どもの相談救済機関及び国の子どもの権利に関する政府から独立した人権機関の設置推進を求める意見書を発表した。こうした動きが全国に波及することが期待される」と述べている。

今後の課題

第三者機関の設置が進む一方で、人材確保や運営資金の確保が課題となっている。特に、子どもの心理や法律に詳しい専門職の配置が必要とされるが、地方自治体によっては予算や人材の制約が大きい。また、子どもが気軽に相談できるよう、相談窓口の認知度を高める広報活動も重要だ。

今後、全国の自治体で第三者機関の設置がさらに進むことで、子どもの権利がより確実に守られる社会の実現が期待される。

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