キューバ中央銀行は2日、国際決済大手のビザとマスターカードによる国内取引を停止したと発表した。米国の経済制裁強化の影響で、外資系ホテルの撤退が相次ぐ中、観光業にさらなる打撃を与える可能性がある。
米国の制裁強化とその影響
米国は5月、キューバの観光関連事業を統制する軍管轄の企業グループ「ガエサ(GAESA)」および関連企業に対し、新たな制裁を科すと発表。制裁発動日は6月6日で、これによりキューバ国内でのビザとマスターカードの利用が不可能となった。
米国の制裁はキューバ経済に深刻な影響を及ぼしている。石油供給が途絶え、燃料不足により航空便の運休が相次いでいる。さらに、制裁を恐れた外資系ホテルの撤退が加速。スペインの大手ホテルチェーンは3日、キューバ国内15か所のホテル経営から撤退する意向を表明した。
観光業への追い打ち
キューバの観光業は、米国の制裁により既に打撃を受けている。外資系ホテルの撤退は、観光客の受け入れ態勢に悪影響を及ぼし、回復途上の観光産業にさらなる逆風となる見通しだ。ハバナでは、グランドアストンホテルから看板を取り外す作業員の姿も確認されている。
日本大使館の呼びかけ
在キューバ日本大使館は3日、キューバに渡航する日本人旅行者に対し、米ドルやユーロなどの主要外貨を現金で持参するよう呼びかけた。これは、クレジットカードやデビットカードの利用が困難になることを踏まえた措置である。
キューバ政府は、米国の制裁に抗議しつつも、経済的な打撃を緩和するための対策を模索している。しかし、国際的な決済手段の制限は、国民生活や観光業に長期的な影響を及ぼすことが懸念されている。



