主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁は23日、トランプ米政権が打ち出した追加関税措置を受けて緊急電話会議を開催した。参加国からは、保護主義的な貿易政策が世界経済に不確実性をもたらすとの懸念が相次いだ。
G7、関税措置で足並み乱れる
会議では、米国が鉄鋼・アルミニウムに加え、自動車や半導体など幅広い品目に高率の関税を課す方針を示したことに対し、各国が強い懸念を表明。特に欧州連合(EU)や日本は、世界貿易機関(WTO)協定に違反する可能性があると批判した。一方、米国側は「国家安全保障上の理由」と主張し、譲歩の姿勢を見せていない。
緊急会合の背景
トランプ大統領は先週、大統領令に署名し、中国からの輸入品に最大25%の追加関税を即時発動。さらに、同盟国にも例外を設けず、自動車関税を引き上げる方針を表明した。これを受け、G7議長国であるカナダのフリージー財務相が緊急会合を招集。各国の財務相が一堂に会し、対応を協議した。
- EU: 報復関税の準備を進めており、米国産ウイスキーやオートバイなどへの追加関税を検討。
- 日本: 鈴木財務相が「極めて遺憾」と述べ、WTO提訴も辞さない構え。
- カナダ: 米国産品への報復関税をすでに発表。総額約155億カナダドル相当。
世界経済への影響懸念
国際通貨基金(IMF)は、関税措置が世界のGDP成長率を最大0.5ポイント押し下げる可能性があると試算。特にサプライチェーンが複雑に絡む自動車産業や半導体産業への打撃が大きいとみられる。また、輸入物価の上昇がインフレを加速させ、中央銀行の金融政策に影響を与える恐れもある。
G7共同声明では、「自由で公正な貿易の重要性」を確認したものの、具体的な対抗措置については合意に至らず。次回のG7財務相会合は5月にイタリアで開催予定で、それまでに各国が個別に対応を検討することとなった。
日本の対応
日本政府は、米国との二国間協議を継続する一方、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)の拡大や、EUとの経済連携協定(EPA)の活用など、多角的な通商戦略を強化する方針。経済産業省は、影響を受ける中小企業向けの資金繰り支援策を検討している。
専門家は「関税の応酬は貿易戦争に発展しかねず、世界経済の回復を損なう」と警鐘を鳴らす。今後のG7の結束が問われる。



