オーストラリアの資源大手ライナス・レアアースのアマンダ・ラカーズ最高経営責任者(CEO)は6日、首都キャンベラで講演し、レアアース(希土類)産業の課題について語った。中国依存からの脱却を進めるには、生産者の採算を確保し投資を促すための適正な市場価格を反映した「最低価格制度」が不可欠だと強調。制度面で先行する日本や米国に追随するよう、各国政府に呼びかけた。
最低価格制度の重要性
ラカーズCEOは、レアアース市場では安価な中国産が事実上独占しており、新規参入や生産拡大を阻害していると指摘。最低価格制度により、生産者が安定した収益を見込める環境を整えれば、中国への依存度を低下させられるという。
ライナスの取り組み
ライナスは双日などからの出融資を受け、電気自動車(EV)のモーターなどに不可欠な重希土類を生産し、日本に供給している。3月には対日供給契約を更新し、最低価格を保証する制度を導入した。この制度は、価格下落時に生産者を保護し、長期的な供給安定につながると期待される。
講演では、レアアースの安定供給には国際的な協力が不可欠であり、特に日本や米国が導入しているような最低価格制度を各国が採用すべきだと訴えた。これにより、投資家の信頼を高め、サプライチェーンの多様化を促進できると述べた。
今後の展望
ライナスは、西オーストラリア州のマウントウェルド鉱山でレアアースを生産し、マレーシアの関丹(クアンタン)で精製している。今後は、米国や欧州でも生産拠点の拡大を計画しており、最低価格制度がこれらの投資を後押しするとみられる。
レアアースはハイテク製品やグリーンエネルギー技術に不可欠な資源であり、中国が世界生産の約60%を占める。米中対立が激化する中、各国は供給源の多様化を急いでいる。



