日本や米国など21の国・地域で構成されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の貿易相会合は23日、中国江蘇省蘇州で2日目の協議を行い、閉幕した。日本からは赤沢亮正経済産業相が出席し、急速に冷え込む日中関係の立て直しに向け、王文濤商務相との個別の対話機会を模索したが、実現には至らなかった。
閉幕したAPEC貿易相会合
会合は22日から2日間の日程で開催され、貿易やデジタル経済、サプライチェーンの強靱化などについて議論が行われた。閉幕後、議長国中国は共同声明を発表し、自由で開かれた貿易の重要性を確認したとしている。
赤沢経産相の動き
赤沢氏は初日の22日、記者団に対し「機会があれば(王氏と)さまざまな話題について話をしたい」と意欲を示していた。しかし、最終日までに個別会談は設定されず、対話は実現しなかった。関係者によると、中国側のスケジュール調整が難航した可能性がある。
冷え込む日中関係
台湾有事が存立危機事態になり得るとした昨年11月の高市早苗首相による国会答弁後、日中の政治・経済交流は停滞している。本格的な閣僚同士の対話が行われれば、問題となった首相の答弁以降では初となるはずだった。
日本政府関係者は「今回の会合で直接対話ができなかったのは残念だが、今後も様々な機会を捉えて意思疎通を図りたい」と述べている。一方、中国側からは会合中に目立った動きはなく、冷え込んだ関係の改善には時間がかかるとの見方が強い。
APECは2026年の開催地が決定しておらず、今後の日程調整も課題となっている。



