ニデックの決算訂正は「計算ミス」でなく意図的な会計不正 第三者委員会が最終報告で指摘
モーター大手のニデック(旧日本電産)が実施した2022年度および2023年度の決算訂正について、当時「計算ミス」が原因と説明されていたが、これは虚偽であったことが明らかになった。実際には、業績をより良く見せるために意図的な会計不正が行われており、子会社の担当者が社内に対して虚偽の説明をし、ニデックも対外的にそのまま公表していたことが判明した。
第三者委員会の最終報告で新たな不正事案が指摘される
2026年4月17日に公表された最終的な調査報告書において、第三者委員会は新たに判明した不正事案として詳細を指摘した。プレス機などを手がける子会社「ニデックドライブテクノロジー」の最高財務責任者(CFO)が、販売済みのプレス機の売り上げを意図的に二重計上するなどの不正を、遅くとも2019年頃から継続的に行っていたという。
この売上高の水増しは、2022年度で約55億円、2023年度で約11億円にのぼり、長期間にわたる組織的な不正が浮き彫りとなった。報告書は、こうした行為が企業統治の重大な欠陥を示していると強調している。
監査法人の発見とニデック本社の対応
二重計上の不正は、2023年度末の決算監査手続きにおいて、PwCジャパン監査法人によって発見された。その後、ニデック本社の経営管理監査部が調査に乗り出したが、この調査に対し、CFOは意図的な不正の事実を伏せて「単なる誤りだった」と説明した。
ニデックはこの説明に沿って2024年5月に決算を訂正し、その理由を「計算ミス」と公表していた。しかし、第三者委員会の調査により、この説明が虚偽であり、実際には業績を粉飾するための意図的な操作であったことが裏付けられた。
企業統治の専門家からの見解
企業統治に詳しい専門家は、この事件が内部統制の不備や経営陣の監督責任の問題を露呈させたと指摘する。不正が長期間継続した背景には、子会社レベルでのチェック機能の弱体化や、本社による適切な監視の欠如があった可能性が高い。
今回の報告書は、ニデックのガバナンス体制全体を見直す必要性を浮き彫りにしており、今後の再発防止策が注目される。投資家や市場関係者からは、透明性のある経営回復への期待が高まっている。



