セイコーエプソンは3日、障害を持つ作家のアート作品を扱う新興企業ヘラルボニーとの共創について、東京都内で発表会を開催した。同社は2月、ヘラルボニーが実施する「アートプライズ2026」のゴールドパートナーに就任し、中野道人氏の作品「Difference(ディファレンス)」をエプソン賞に選出している。
多様性を価値に変える取り組み
発表会で吉田潤吉社長は、「アートプライズは創造性や才能を社会に届ける取り組みです。多様な人材が強みを発揮し、価値につながる社会に向け、挑戦を続けていきたい」と述べた。吉田社長はヘラルボニーの作品をあしらったネクタイを着用し、「多様性がクリエイティビティーや新たな可能性を生み出す。会社の責任者として社員を活性化させるのは重要な役割だ」と強調した。
ヘラルボニーのビジネスモデル
盛岡市に本社を置くヘラルボニーは、「異彩を、放て。」をミッションに掲げる。障害を持つ作家と契約し、2000点以上の作品の著作権を保有・管理。アートを基にした衣料品や雑貨を製作・販売するほか、企業と連携して作品を紹介している。持続可能なビジネスモデルとして、作家に適正なロイヤルティーを支払っている。
共創企業の事例
JR東日本は駅舎や車両に作品をラッピングし、社員用マスクにもアートを印刷。東京建物はマンション建設現場の仮囲いにアートを採用している。セイコーエプソンは発表会で、エプソン賞作品を印刷したノート型パソコンとプリンターの試作品を公開。さらに、グループの特例子会社エプソンミズベの社員が製作したトートバッグとTシャツも紹介した。
グローバル展開への期待
ヘラルボニーの松田文登代表取締役は、セイコーエプソンの海外ネットワークに大きな期待を寄せ、「グローバルで通じるエプソンという言葉があることはとてつもないことだ」と述べた。両社の共創は、障害者アートの社会的価値を高め、多様性を尊重する企業文化の醸成に寄与するものと期待される。



