MSワラント発行が急増、業績不振企業が暗号資産購入資金に活用
MSワラント急増、暗号資産購入資金に活用する企業

MSワラント発行が急増、業績不振企業が暗号資産購入資金に活用

東京証券取引所において、上場企業が新株を売却して資金を調達する手法の一つである「MSワラント」の発行件数が増加傾向にあります。特に、1株あたりの価値が薄まる希薄化率が大きい案件は、昨年から前年比で倍増し、2年連続で急増しています。この動きは、業績不振の企業を中心に広がっており、株価の低迷などにより一般株主が不利益を被る可能性も指摘されています。

MSワラントとは何か?

MSワラントの正式名称は「行使価額修正条項付き新株予約権」です。これは、企業が特定の割当先に対して発行する新株予約権の一種であり、新株を取得する際の行使価格を市場の前日終値などに合わせて変動させる特徴を持っています。この特殊な資金調達手法をあえて選択する理由として、通常の資金調達が困難な状況にある企業が、上場維持基準の厳格化が進む中で頼るケースが増えていると見られています。

発行件数の推移と希薄化率の高い案件

ある大手証券会社の集計によると、MSワラントの発行件数は2021年から2024年まで69件から76件の範囲で推移していましたが、2025年には94件に増加しました。さらに、新株予約権がすべて行使された場合の希薄化率が25%以上のMSワラントに焦点を当てると、2021年から2023年までは4件から5件だったものが、2024年には10件、2025年には23件と、2年連続で倍増しています。この23件のうち、割当先の8割以上を英領ケイマン諸島の「EVOファンド」が占めている点が注目されます。

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利用企業の特徴と資金使途の変化

MSワラントを利用する企業は、東京証券取引所のスタンダード市場やグロース市場に上場する業績不振の企業が多い傾向にあります。資金使途としては、運転資金や社債償還が従来の主な目的でしたが、2025年にはビットコインなどの暗号資産購入も目立つようになりました。この背景には、暗号資産市場への投資を積極化する企業の動きが反映されていると考えられます。

専門家の見解と今後の展望

証券会社の担当者は、「東証で上場維持基準の厳格化が進む中、通常の資金調達がしにくい企業がMSワラントに頼るケースが増えているのではないか」と分析しています。また、暗号資産購入を資金使途に含める企業については、一時的なブームとして捉える専門家もいますが、市場の動向によってはリスクが高まる可能性も指摘されています。一般株主にとっては、希薄化率の高い案件が増えることで、株価の下落や利益の減少を招く恐れがあるため、注意深い監視が求められます。

全体として、MSワラントの発行増加は、業績不振企業の資金調達難と暗号資産投資への関心の高まりを反映しており、金融市場における新たなトレンドとして注目されています。今後の動向には、規制環境や市場の変動が大きく影響すると予想されます。

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