愛知・あま市の活魚料理「かわかみ」 鮮魚店から人気店へ 創業47年の歩み
愛知県あま市にある活魚料理店「かわかみ」は、新鮮な活魚料理やウナギのかば焼きを一押しとする老舗店として、地元住民から深く愛されている。名鉄七宝駅前で鮮魚店を営んでいた創業者の苦労が実を結び、1979年の創業以来、多くの著名人も足を運ぶ人気店に成長した。2023年に県道126号沿いへ移転した後も、連日多くの来店客でにぎわいをみせている。
店内にはスポーツ選手や力士のサインがずらり
店内に入ると、スポーツ選手のサインや力士の手形が壁一面に並び、常連客の縁で訪れる著名人の多さを物語る。刺し身やウナギだけでなく、エビフライやジャガバタといったおつまみも、多くの著名人の舌をうならせてきた。創業者の川上正彦さん(82)は、「朝青龍はジャガバタを6皿おかわりしていた」と懐かしそうに語る。
店は正彦さんと妻の久子さん(73)、次男の正博さん(50)ら親族5人と板場の2人で切り盛りしている。親族ならではの言葉を必要としないコミュニケーションにより、調理や配膳はスムーズに行われ、温かな雰囲気が漂う。
苦労を乗り越えて鮮魚店からスタート
正彦さんは岐阜県下呂市の出身で、小学3年で父を亡くし、貧しい家庭環境から小学4年からアルバイトをせざるを得なかった。中学卒業後、名古屋市中川区八熊の八百屋に就職し、実家への仕送りのため必死に働いた。
ある時、「魚屋がもうかる」と聞き、八百屋を辞めて清須市の鮮魚店に弟子入り。「絶対金もうけしてやる」という強い思いで技術を磨いた。その後、かつて働いた八百屋に請われて戻り、魚のさばき方をさらに学んだ。
独立を目指す中、店主から七宝駅前の市場タカラセンターで鮮魚店の空きが出たことを知らされ、「やってこい」と伝えられた。25歳の時、前身となる鮮魚店「川上商店」を立ち上げたのである。
家族の絆で店を支え 人気店に成長
鍛えた目で選ぶ新鮮な魚と確かな腕で店は繁盛し、人手不足から隣の豆腐店で働いていた女性をアルバイトとして雇った。それが今の妻、久子さんだ。正彦さんは「結婚したら給料を払わなくて済むから」と冗談を交えつつも、「これまでずっと支えてくれた」と感謝の気持ちを忘れない。
川上商店の創業から10年後、「買った魚をその場で調理する料理店をやろう」と、同じ敷地で始めたのが「かわかみ」だ。二つの店を並行して2年間営業した後、周辺にスーパーが相次いで開業したことから「かわかみ」一本に絞った。
おいしい魚料理を目当てに地元住民が足しげく通う人気店となり、夫妻は他の魚料理店に足を運んでメニューを研究した。2023年に現在の場所に移転する際、正彦さんは80歳目前だったが、「常連客がついている。辞める選択肢はない」と決断。社長を正博さんに譲った今も、ガラス張りの焼き場で顔を真っ赤にしてウナギを焼き続けている。
創業47年 これからも店を見守りたい
苦労の末に開業したかわかみは創業47年を迎えた。正彦さんは「これからもお店を見守りたい」と語り、正博さんも「店を守りつつ大きくしたい」と意気込む。魚一途の大将が築いた店は、その心とともに引き継がれ、まだまだ続いていく。
かわかみの基本情報
- 魚料理だけでなくおつまみや肉料理もメニューに並ぶ
- 昼の営業時間:午前11時10分~午後2時
- 夜の営業時間:午後5~9時
- 定休日:月曜日
- 所在地:あま市花長堀上75の1
- 問い合わせ:052(444)9349



