核のごみ処分、国が初主導で南鳥島文献調査へ 村長は「建設決定ではない」と強調
核のごみ処分、国主導で南鳥島文献調査へ 村長は建設決定でないと強調

核のごみ処分場選定、国が初めて主導で南鳥島文献調査へ

原発から発生する高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、政府が新たな動きを見せている。赤沢亮正経済産業大臣は4月21日、東京都小笠原村の渋谷正昭村長と面会し、同村の南鳥島において第1段階となる文献調査を実施する方針を伝達した。国の主導で文献調査に乗り出すのは今回が初めてのケースとなり、今後の処分場選定プロセスに大きな影響を与えそうだ。

村長「建設決定ではない」と慎重姿勢

渋谷村長は面会の中で、風評被害対策の徹底や、処分場建設を決めたわけではないことの確約などを改めて要請。赤沢大臣に対し「国の判断として実施させていただきたい」との意向が示されたことを受け、「判断を受け入れる。約束を守り、責任を持って対応してもらいたい」と述べた。

さらに渋谷村長は、国が他の自治体にも文献調査を申し入れるまで、調査の次の段階に関する意見表明は行わないとの考えを強調。これに対し赤沢大臣は「地域任せにすることなく、できるだけ早い時期に次の申し入れを行えるよう、国が前面に立って取り組んでいく」と応じ、国主導の姿勢を明確にした。

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5月にも住民との意見交換を実施

面会後の記者会見で渋谷村長は、5月以降に村民との意見交換会を開催する意向を明らかにした。「村民がどういう意見をお持ちか聞き、私の考えを伝える場を設けたい」と語り、地域住民の声を丁寧に汲み取る姿勢を示した。

文献調査は地質図や学術論文を基に、処分場としての適地かどうかを約2年かけて検討するもので、国は調査実施自治体に対して最大20億円の交付金を支給する。これまでに北海道の寿都町、神恵内村、佐賀県玄海町が先行して調査を受け入れており、南鳥島は4例目となる。

調査実施機関も連携を表明

調査を実施する原子力発電環境整備機構(NUMO)の山口彰理事長は「村長から示された要請事項等に応えていくため、国と連携して誠実に取り組む」とのコメントを発表。国と実施機関が一体となって調査を進める体制が整いつつある。

経産省は3月3日に小笠原村に対し南鳥島での調査を申し入れており、渋谷村長は今月13日に「国が判断するべきだ」と事実上容認する考えを示していた。今回の面会で正式な実施方針が確認された形だ。

次の段階となる概要調査には最大70億円の交付金が用意されているが、これまでにこの段階に進んだ自治体はない。処分場選定は長期化が予想される中、国主導の新たなアプローチがどのような成果を生むか注目が集まっている。

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