世界銀行は28日、一次産品の市場見通しを発表し、中東地域での紛争に伴う供給混乱により、原油を中心としたエネルギー価格が2026年に前年比で23.6%上昇し、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以来の高水準に達するとの予測を示した。また、肥料価格は30.7%上昇すると見込まれ、これらの動きがインフレを加速させ、世界経済の成長を抑制する恐れがあると警告している。
見通しの前提条件
今回の予測は、中東の混乱が2026年5月に終息し、重要な海上輸送ルートであるホルムズ海峡の船舶通行が同年末までに徐々に紛争前の水準に戻るという前提に基づいている。このシナリオが実現しなければ、価格上昇はさらに長期化する可能性がある。
一次産品全体の見通し
一次産品全体の価格上昇率は15.5%と見込まれる。特に化学肥料の原料である天然ガスは中東が主要な供給地域であり、価格上昇は農業の利益率を圧迫する要因となる。
世界銀行は、エネルギーと肥料の価格高騰が食料生産コストを押し上げ、特に途上国において食料安全保障を脅かす可能性があると指摘している。また、各国中央銀行がインフレ抑制のために金融引き締めを継続せざるを得なくなり、経済成長にさらなる下押し圧力がかかるとの懸念を示した。



