福井県南越前町のレジャー施設「今庄365アウトドアビレッジ」に、口径50センチの大型反射望遠鏡などを備えた天体観察棟が完成し、話題を呼んでいる。この施設は、スキーシーズン以外の時期にも訪れる人を増やし、通年の利用拡大を目指す狙いがある。スタッフから星座や望遠鏡の使い方などの指導を受けながら、夜空を満喫できることから、天文愛好家の間で人気を集めている。
施設の背景と再整備計画
同施設の「今庄365スキー場」は、バブル期のスキーブームに乗って1990年に開業した。ピーク時の1994年度には約12万3000人が訪れたが、その後利用者は減少の一途をたどり、昨年度は2万3000人にとどまっている。この状況を打開するため、町はスキーができない春から秋の期間にも利用を促進しようと、2024年度から5か年計画で再整備を進めてきた。これまでにキャンプ場やトレッキングルートを新設し、今回の天体観察棟もその一環として建設された。
天体観察棟の詳細
天体観察棟は、スキー場の駐車場に隣接する標高約400メートルの高台に位置し、総工費約1億円を投じて建設された。この費用の約50%は、県の「ふくい地方創生推進事業補助金」によって賄われている。望遠鏡が設置された部屋は天井全体が開閉可能で、全天を見渡せる設計が特徴だ。2026年5月8日にオープンしたこの施設には、口径50センチの反射式望遠鏡(主筒)と、口径15センチの屈折式望遠鏡(副筒)が一体化して設置されており、利用者は二種類の望遠鏡による観察の違いを体験できる。
星空の案内役を務める越前市の天文愛好家、大西剛平さん(43)によると、反射式の主筒は遠方の星雲など暗く小さな天体の観察に適しているが、空気の揺らぎの影響を受けやすい。一方、屈折式の副筒は木星の縞模様など明るい天体をくっきりと捉えることができるという。天候が良ければ、毎週金曜、土曜、日曜の午後7時20分から9時まで開館し、完全予約制で大西さんの解説を聞きながら季節の星座などを観察できる。定員は10人で、料金は高校生以上300円、小中学生200円となっている。
地域への期待
町観光まちづくり課の担当者は、「福井市や敦賀市などの都市部からもアクセスしやすく、星空を楽しめる豊かな自然をアピールしたい」と意気込みを語っている。申し込みは町のホームページの予約フォームから受け付けており、問い合わせは同課(0778・47・8002)まで。



