三菱UFJ信託銀行、2026年度にAI活用の相続サービス開始へ デジタル需要高まりに対応
三菱UFJ信託銀、AI活用の相続サービスを2026年度開始

三菱UFJ信託銀行、AI技術を駆使した相続関連サービスの提供を2026年度内に開始へ

三菱UFJ信託銀行の窪田博社長(56歳)は、読売新聞のインタビューにおいて、同社の主力業務である相続関連サービスにおいて、2026年度内に人工知能(AI)の活用を本格的に開始する方針を明確に示しました。この発表は、デジタル技術を活用した金融サービスの新たな展開を象徴する重要な動きとして注目を集めています。

相続サービスのデジタル化で業務効率と品質向上を追求

同銀行はこれまで、遺言状の作成や執行、相続人の確定、遺産調査など、多岐にわたる相続関連サービスを提供してきました。これらの業務は、依頼者ごとに資産内容や家族構成が大きく異なるため、担当者の豊富な経験と専門的なノウハウに依存することが多いという現状がありました。

窪田社長は、AI技術の導入により、こうした従来の業務プロセスを大幅に効率化し、サービスの品質向上を図る考えを強調しています。特に、スマートフォンに慣れた世代が相続の中心となる時代の到来を踏まえ、デジタルを活用した相続サービスの需要が急速に高まっている点を指摘しました。

「スマホに慣れた世代が相続する時代となり、デジタルによる相続サービスの需要が高まっている」と窪田氏は述べ、デジタル化の必要性を力説しました。

「エムット」を通じた迅速かつ低コストな提案を実現

具体的なサービス提供の場としては、三菱UFJフィナンシャル・グループが展開する個人向け金融サービスプラットフォーム「エムット」が想定されています。窪田社長は、AIを活用することで、顧客の多様なニーズに合致した提案を迅速かつ低コストで実現できると期待を寄せています。

「顧客のニーズに合致したものを迅速かつ低コストで提案できる」と窪田氏は語り、デジタル技術によるサービス革新の可能性を強調しました。

この取り組みは、金融業界におけるAI活用の新たなモデルケースとして、他行にも影響を与える可能性が高いと見られています。相続という複雑な業務領域において、AIがどのように貢献するかが今後の焦点となるでしょう。

資産管理事業の拡大に向けた海外M&Aも検討

さらに窪田社長は、インタビューの中で、不動産や非公開株などの資産管理事業に関連して、海外での企業合併・買収(M&A)を積極的に検討していることも明らかにしました。これは、同社がグローバルな視点で事業基盤を強化し、総合的な資産管理サービスを提供する姿勢を示すものです。

相続サービスにおけるAI活用と、資産管理事業の海外展開という二つの戦略は、三菱UFJ信託銀行がデジタル化と国際化の両面で成長を加速させることを示唆しています。2026年度のサービス開始に向けて、具体的な開発や実証実験が進められる見込みです。

金融業界全体がデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む中、三菱UFJ信託銀行の動きは、伝統的な信託業務と先端技術の融合がどのように進展するかを示す重要な事例として、業界内外から注目を集め続けるでしょう。