経済産業省が6月5日に発表した2024年度の調査によると、生成AI(人工知能)を活用した業務効率化が急速に進んでおり、企業における導入率が初めて5割を超えたことが明らかになった。また、生成AI関連の市場規模も過去最高を更新し、前年度比で約30%増の1兆2000億円に達した。
企業の導入率、5割超えの背景
調査は全国の従業員50人以上の企業3000社を対象に実施され、生成AIを「既に導入している」または「試験的に導入している」と回答した企業の割合は52.3%に上った。前年度の38.5%から大幅に増加し、初めて過半数を突破した。特に、製造業や情報通信業での導入が顕著で、それぞれ65.1%、71.2%と高い数値を示した。
導入目的と効果
導入目的として最も多かったのは「業務効率化」(78.5%)で、次いで「コスト削減」(45.2%)、「新製品・サービスの開発」(32.1%)となった。効果として、約7割の企業が「業務時間の短縮」を実感しており、特に文書作成やデータ分析の分野で顕著な成果が報告されている。
市場規模、過去最高を更新
生成AI関連市場は、クラウドサービスやソフトウェア販売、コンサルティングなどを含め、2024年度に1兆2000億円に拡大。前年度の9200億円から30.4%増加し、過去最高を記録した。経産省は、2027年度には2兆円を超えると予測している。
業種別の動向
- 製造業:品質管理や生産工程の最適化にAIを活用。不良品率の低減に成功。
- 金融業:顧客対応の自動化やリスク分析に利用。業務効率が20%向上。
- 医療分野:診断支援や創薬にAIを導入。研究開発期間の短縮に貢献。
課題と今後の展望
一方で、導入にあたっての課題も浮き彫りになった。「専門人材の不足」が53.1%、「初期投資の負担」が41.3%、「セキュリティリスク」が35.7%と続く。経産省は、中小企業向けの補助金制度や人材育成プログラムを強化する方針を示している。
専門家は「生成AIの活用はまだ初期段階だが、今後はより高度な業務への応用が進むだろう。特に、生成AIとロボティクスの融合が期待される」と述べている。



