静岡県浜松市で3日、子どもの誕生を祝い健やかな成長を願う伝統行事「浜松まつり」が開幕した。午前10時の開会宣言を合図に、中央区白羽町の凧揚げ会場では参加173町の凧が一斉に舞い上がった。まつりは5日まで続く。
風が弱く苦戦も、威勢よく凧揚げ
この日は曇り空で風が弱く、各町は苦労しながら凧を揚げた。ラッパ隊による威勢のいい演奏と、揚げ手たちの「オイショ、オイショ」という掛け声に合わせ、町の凧印が描かれた凧が空高く上がると、参加者らは万歳三唱で子どもと家族の門出を祝った。
夜のイベントは雨天中止
JR浜松駅北側の市中心部で夜に予定されていた吹奏楽パレードと各町による御殿屋台の引き回しは、雨天のため中止となった。浜松まつり組織委員会によると、凧揚げ会場と関連イベントを合わせて約53万人が訪れたという。4日と5日も凧揚げと御殿屋台の引き回しが予定されている。
「日本のテレビの父」を記念した凧も
会場では、さまざまなデザインの凧が空を彩った。中でも注目を集めたのが、浜松市出身の高柳健次郎博士(1899~1990年)の功績を記念した凧だ。高柳博士は100年前、世界で初めてテレビ実験に成功。これを記念して、市と静岡大が共同制作した凧が揚げられた。
「イ」の文字と「100」をあしらった大凧
高柳博士は100年前、静岡大学工学部の前身にあたる浜松高等工業学校で、ブラウン管に「イ」の文字を映し出すことに成功。その後テレビ放送にも尽力し、「日本のテレビの父」と呼ばれる。この功績にちなみ、4帖(約2.4メートル四方)と6帖(約2.9メートル四方)の2種類の凧に、2本のアンテナ付きブラウン管テレビの絵の中に「イ」を大きく描き、節目を示す「100」も添えた。
学生たちが懸命に操る
この日、そろいの法被を着た学生30人が市職員らの指導を受けながら挑んだ。風が弱く苦戦したが、糸を持ちながら懸命に走り、風が強く吹いた一瞬を捉えて凧が舞い上がると、ほっとした表情を見せた。途中、山手町などの「子供ラッパ隊」が演奏で盛り上げる場面もあった。
岡山市出身で静岡大学情報学部3年の永泉遥規さん(20)は「浜松に来たからには参加しようと思っていた。念願がかなってうれしい」と笑顔。住んでいる町の凧揚げにも参加する予定といい、「今回を機にもっと地域の人と関わりたい」と話した。



