戦争記録画展の記録集を無料公開、完全記録に近い内容で話題
戦争記録画展の記録集を無料公開、完全記録に近い内容

東京国立近代美術館(東京都千代田区)は、昨年開催した「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」展の記録集を、4月28日からPDF形式で同館ウェブサイトに無料公開した。この展覧会は、20点以上の戦争記録画を展示し、7万人以上が来場するなど大きな注目を集めた。

無料公開の背景と狙い

同展は戦後80年にあたる2025年7月15日から10月26日まで開催。藤田嗣治や宮本三郎らによる戦争記録画を軸に、同時代の雑誌や新聞、戦後美術との関係も考察し、戦争記録画を相対化して冷静に考えることを意図していた。しかし、テレビ局や新聞社との共催がなかったため予算規模が小さく、チラシやカタログは作成されなかった。そのため、会期中から記録集の刊行を求める声が多く寄せられていた。

鈴木勝雄企画課長は「予算の制約でカタログを作れなかったが、記録として残したいという思いから、ウェブ公開という形を選んだ」と説明。記録集には、展示作品の写真や配置図、解説パネルの内容などが詳細に収められ、実際の展示を再現できる「完全記録」に近い内容となっている。

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展示の特徴と反響

展覧会のメインビジュアルには、戦争記録画ではなく松本竣介の「並木道」(1943年)が使用され、戦争記録画をセンセーショナルに扱うのではなく、冷静な鑑賞を促す姿勢が評価された。来場者からは「戦争の記憶を考える貴重な機会」「展示構成が秀逸」などの声が上がった。

記録集の公開により、実際に展覧会を訪れた人だけでなく、全国の美術愛好家や研究者がいつでも内容を確認できるようになった。同館は「今後も展覧会の記録をデジタルで残す取り組みを進めたい」としている。

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