群馬県がクマ対策会議を開催 放棄果樹とやぶが人里への誘引要因に
群馬県は22日、ツキノワグマの冬眠明けに合わせた「クマ対策行政関係者会議」を前橋市大手町のぐんま男女共同参画センターで開催しました。県と市町村、県警察の担当者48人が出席し、増加するクマの出没と人身被害への対応策を協議しました。
過去最多の出没と被害 自然・社会要因が複合
2025年度、群馬県内におけるツキノワグマの出没件数と人身被害はともに過去最多を記録しました。会議では、群馬野生動物事務所(高崎市)の春山明子代表が講演を行い、被害増加の背景について詳細な分析を提示しました。
自然要因としては、高標高地での堅果類の凶作により、クマが餌を求めて低地へ移動したことが挙げられました。一方、社会要因としては、人への警戒心が比較的薄い若い個体の増加が指摘されています。
放棄果樹とやぶがクマを人里へ導く
特に問題視されたのは、人間の生活圏に近い場所に存在する「放棄された果樹」と「やぶ」です。春山代表は、カキやクリなどの放棄果樹がクマにとって格好の餌場となり、山から住宅地へと続くやぶが移動経路や隠れ場所を提供していると説明しました。
これらが組み合わさることで、クマが人里へ容易に接近する環境が形成されていると警鐘を鳴らしました。
行政が推進する具体的な対策
会議では、今後の行政対策として以下の項目が挙げられました。
- 住宅地周辺のやぶの刈り払いの実施
- 放棄された果樹の確実な除去
- 耕作中の果樹園における管理の徹底
- 危険箇所への電気柵の設置促進
これらの措置により、住宅地周辺からクマの「餌」と「隠れ場所」を除去し、人とクマの接触機会を減らすことが被害防止の鍵であると訴えられました。
緊急銃猟に向けた技能向上訓練も計画
また、群馬県は市町村長の判断で行われる例外的な措置である「緊急銃猟」について、その実施精度向上を目的とした訓練を本年度に初めて実施する計画を明らかにしました。これには夜間の研修も含まれており、より実践的な対応能力の強化を図ります。
県は、関係機関が連携し、地域住民の安全を守るための総合的なクマ対策を推進していく方針です。



