中学校制服の価格差が最大1.7倍、市町村統一で平均3800円安くなる動きが拡大
学校別だった公立中学校の制服(標準服)のデザインを共通化する動きが全国的に広がっています。この取り組みにより、性別にかかわらず着やすいブレザーへの変更が促進され、大量生産による価格抑制効果も期待されています。今後、導入自治体は150以上に増加する見込みです。
神戸モデル標準服の成功事例
1月中旬、神戸市中央区の制服店「カンコーショップ神戸」では、新年度に中学生になる子どもたちが制服の採尺に訪れていました。試着されたのは、市立中学校どこでも着用できる共通制服「神戸モデル標準服」です。ネイビーのブレザーに合わせ、スラックス、スカート、キュロットが選択可能で、リボンやネクタイはタータン柄など多様なデザインが用意されています。
キュロットを試着した同市西区の女子児童(12歳)は、「ブレザーのボタンがいかりの模様でおしゃれです。着て通うのが楽しみです」と笑顔を見せました。神戸モデルは、性別を問わずスラックスやスカートを選べるように2023年度に導入されました。学校ごとの対応よりも効率化が図れるため、以前は学校間で最大1.7倍あった制服の価格差が解消され、平均約3800円安くなりました。さらに、学校間で不用になった制服を譲り合うことも可能です。
神戸市では、2026年度までに全82校のうち36校が神戸モデルに切り替わる予定です。従来の制服を継続する学校でも、生徒の希望により神戸モデルを着用できるため、着用者が増加し、学校全体で切り替えたケースも報告されています。市教育委員会は「予想以上に好評です」と評価しています。
全国的な共通化の広がりと専門家の見解
制服の共通化は各地で進展しています。大手学生服メーカー・菅公学生服(岡山市)によると、2020年度に福岡市などが共通化を実施したことで注目が集まりました。2025年度には千葉県柏市が従来の制服と併用する形で採用し、2026年度は和歌山市なども共通化を予定しています。導入自治体は今後、150以上に達する見込みです。
椙山女学園大学の内藤章江准教授(被服心理学)は、「同じ制服は仲間意識を育みます。市町村で制服を統一すれば、ふるさと全体への誇りや愛着を高めることに役立ちます」と指摘します。さらに、「基本のデザインは統一し、リボンやワッペンなどの細部を学校独自のものにすれば、地域と学校それぞれの連帯感を生むことができるでしょう」と提案しています。
この動きは、教育現場の効率化とコスト削減に加え、多様性への配慮や地域愛の醸成にも貢献し、今後さらに拡大することが期待されています。