山梨の解体業者、不法滞在外国人雇用で逮捕 日給1万円で働かせる実態も
山梨の解体業者、不法滞在外国人雇用で逮捕 日給1万円実態 (14.02.2026)

山梨の解体業者が不法滞在外国人を雇用 日給1万円で働かせていた疑いで逮捕

山梨県警南アルプス署は12日、南アルプス市の解体業「順行」を経営する中国籍の男性社長(50)を入管難民法違反(不法就労助長)容疑で逮捕しました。同社では不法滞在している外国人を解体作業員として雇用し、日給1万円程度で働かせていた実態が明らかになっています。

近隣住民とのトラブルが発端 不法滞在が発覚

事件の発端は、昨年11月に同市内で行われていた解体作業現場でのトラブルでした。中国人とタイ人の計4人が作業中に近隣住民と問題を起こし、駆けつけた警察官の調査によって全員が不法滞在であることが判明。4人は現行犯逮捕され、その雇用主である男性社長の容疑が浮上しました。

逮捕容疑は、不法滞在する中国籍の男性2人とタイ国籍の男性1人、計3人を解体作業員として働かせたとされるものです。調べに対し、容疑者は「中国人については自分が面接していないので知らない。タイ人は後で確認しようと思っていた」と供述しています。

「在留カードを確認していたが、その後はしていなかった」

逮捕前の読売新聞の取材で、容疑者は外国人労働者の雇用について以下のように説明していました。

  • 「人手が足りなくなったら雇っていた」
  • 「私が中国に行って連れてくることもあるが、基本的には他の会社から紹介を受けて連れてくることが多い」
  • 不法滞在で逮捕された外国人について「中国人の1人は6年くらい前で、ほか2人は2年くらい前」から雇用
  • 在留カードの確認について「ちゃんとしたが、その後はしていなかった。切れているのも知らなかった」

同署では、容疑者がほかにも不法滞在する外国人を雇用していた可能性があるとみて捜査を進めています。今年に入ってからは同社を捜索し、関係資料を押収するなどして実態解明に努めています。

観光目的で入国後、財布とパスポートを紛失した中国人労働者

不法滞在で逮捕された外国人4人のうち、中国人男性1人の初公判が5日に甲府地裁で開かれました。この男性は容疑者の逮捕容疑には含まれていませんが、公判で同社で働くことになった経緯を説明しています。

男性は観光目的で日本に入国したものの、直後に財布とパスポートを紛失。インターネットを通じて容疑者の会社を紹介してもらい、働くことになったと述べています。給与については「日給1万円程度」で、中国の家族に生活費を仕送りしていたと証言しました。

1998年創業の解体業者 売上高2億7600万円

民間調査会社などの情報によると、容疑者が経営する「順行」は1998年に創業。アパートやビルなどの解体工事を手がけており、2024年の売上高は2億7600万円に上ります。同社ではこれまでも外国人労働者を雇用しており、不法滞在者の雇用が常態化していた可能性も指摘されています。

山梨県警南アルプス署は、外国人労働者の適正な雇用管理が行われていなかった実態を解明するため、引き続き詳細な捜査を行う方針です。この事件は、建設・解体業界における外国人労働者雇用の実態に一石を投じるものとなりそうです。