関西の鉄道各社、運賃値上げへ 阪急・阪神・JR西も2030年度までに実施目指す
関西の鉄道各社、運賃値上げへ 阪急・阪神・JR西も

関西の鉄道各社、運賃値上げの動き加速

関西の鉄道会社が運賃の値上げに向けた検討を急いでいる。物価上昇が急速に進む中で、安全運行や設備の改修に必要な原資を確保するためだ。一方、「公共サービス」である鉄道の運賃はむやみな値上げが制限されており、各社は運賃値上げ以外にも鉄道事業の収益改善策を模索している。

阪急阪神HD、2030年度までの値上げ方針

阪急阪神ホールディングス(HD)は15日の決算記者会見で、2030年度までに傘下の阪急電鉄と阪神電気鉄道で運賃の値上げを実施する方針を示した。阪急大阪梅田駅の改修や車両の新造に伴い、設備投資費がかさむことに対応する。実現すれば、1995年9月以来(消費税増税分などを除く)の値上げとなる。

工事費の上昇が続いている状況を踏まえて設備投資を前倒しで進めており、鉄道を含む都市交通事業の今年度の設備投資額は755億円と例年の2倍程度に膨らむ見込みだ。門田浩士グループ経営企画室長は「サービスの維持・向上のため、値上げが必要だ」と述べている。

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JR西日本も初の値上げへ

JR西日本も2030年度までの中期経営計画に値上げの実現を目指す方針を盛り込んだ。単純な値上げは1987年の民営化以降、初となる。近畿日本鉄道と南海電気鉄道は2023年、京阪電気鉄道は25年に値上げに踏み切っている。

運賃値上げの仕組みと課題

鉄道の運賃値上げには、国土交通省の認可が必要となる。人件費や設備の維持・更新費に、適正な水準の利益を加算した「総括原価」を超えない範囲かどうかを国が判断する仕組みだ。鉄道会社は申請時に、今後3年間、値上げしなければ大幅な赤字になることを示す収支予測データを提示しなければならない。

公共性が高い運賃の行き過ぎた値上げを防ぐためだが、鉄道会社側は一度値上げをすると3年間は事実上再値上げできず、足元のコスト増を即座に反映するのは難しい。JR西日本の倉坂昇治社長は「インフレ局面では簡便に運賃を上げられる仕組みが必要」と訴えている。

特急料金や有料座席指定で収益改善

こうした中、各社は国の認可が不要な範囲で鉄道事業の収益向上に取り組んでいる。南海電鉄は認可が必要ない特急料金を今年4月から値上げした。大阪・難波と関西空港を結ぶ「ラピート」などの5列車が対象で、ラピートは520円(大人)から700円となった。近鉄も28年度までに特急料金を引き上げる方針を示している。

有料の座席指定サービスも広がっている。京阪や阪急、JR西日本が導入しており、近鉄は6月に、阪神電鉄も来年春に導入する予定だ。京阪の場合、年間10億円程度の増収効果をもたらしているという。

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