再審法案「大きく前進」は本当か?開示証拠の公開禁止に懸念の声
再審法案「大きく前進」は本当か?開示証拠の公開禁止に懸念

再審制度を見直す刑事訴訟法改正案をめぐる国会論戦が本格化した。高市早苗首相は「制度を大きく前進させるものだ」と政府法案の意義を強調したが、野党からは開示証拠の公開を禁じる「目的外使用の禁止」などに懸念の声が相次いでいる。

政府法案の内容と問題点

政府の法案では、検察が開示した証拠を再審手続きやその準備以外で使用することを一律に禁止している。違反した場合、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性がある。政府は関係者の名誉やプライバシー保護を目的とし、通常の刑事裁判にも同様の規定があると説明する。

しかし、通常の刑事裁判が公開法廷で行われるのに対し、再審請求審は非公開手続きである点が問題視されている。再審請求審は「ブラックボックス化しやすい」との指摘があり、今回の規定によってさらに不透明になる可能性が指摘される。また、国民の知る権利を侵害する恐れも懸念されている。

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実際の冤罪事例から見える影響

死刑が確定していた袴田巌さんのケースでは、犯行時の着衣とされた「5点の衣類」のカラー写真が開示され、支援者と共有された結果、色の変化に不自然な点があることが判明。これが再審無罪につながった。国民民主党の小竹凱氏は、政府法案のように一律に禁止すると、冤罪被害者の救済を「かえって困難にする恐れがある」とただした。

これに対し高市首相は「私としても、再審請求事件における支援活動や報道の意義を否定するものではない」と答弁。証拠の概要を口頭で伝えることは可能などとし、「目的外使用の禁止により不当な事態が生じることはない」と述べた。

支援者や弁護団の懸念

しかし、冤罪被害者や支援者の危惧は強い。袴田さんの弁護団事務局長を務める小川秀世弁護士は、中道改革連合などのヒアリングで「支援者と一緒に証拠を検討することが躊躇されるような規定は絶対許せない」と訴えた。また、野党からは証拠開示ルールについて「現在の実務運用より後退の恐れ」との指摘も出ている。

政府は「再審制度の改善」を掲げるが、実効性が問われる状況だ。今後の国会審議では、冤罪被害者の救済と証拠公開のバランスが焦点となりそうだ。

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