江戸時代の歴史に幕、木曽川最後の渡し船が県運航を終了
愛知県は2月12日、一宮市と岐阜県羽島市の間を流れる木曽川の渡し船「西中野渡船(通称・中野の渡し)」について、県による運航を2024年3月25日をもって終了すると正式に発表しました。この渡し船は江戸時代から続く長い歴史を持ち、木曽川に残る最後の渡し船として地元で親しまれてきました。
新濃尾大橋開通が運航終了の背景に
渡し船はこれまで、県道羽島稲沢線の一部として機能し、両市を約1キロの距離をわずか7分で結ぶ重要な交通手段となっていました。しかし、昨年5月に両市を直接つなぐ新濃尾大橋が開通し、この橋が正式に県道に指定されたことで、「中野の渡し」は県道としての役割を終えることになりました。
運航終了まで、渡し船は月曜日と木曜日を除く週5日間運行され、誰でも無料で利用することができます。愛知県の発表によると、2024年度の利用者数は合計2507人で、1日平均では約13.2人という計算になります。
一宮市が存続に向けて活用方法を検討
一方で、この歴史的な渡し船の完全な廃止を避ける動きもあります。一宮市は渡し船の存続を目指し、今後の活用方法について具体的な検討を進めています。もし活用を継続する場合には、愛知県が所有する船を一宮市に譲渡する方針が示されています。
地元では、江戸時代から続く伝統的な交通手段が失われることへの寂しさと、新たな活用方法への期待が交錯しています。多くの住民や歴史愛好家にとって、木曽川の風景に溶け込む渡し船の姿は、地域のアイデンティティの一部となっていました。
3月25日の運航終了まで、最後の利用を求める人々の姿が増えることが予想されます。愛知県と一宮市は、今後の方針についてさらに協議を重ね、歴史的遺産としての渡し船の未来を決定することになります。