北ガス子会社のガス管腐食放置で爆発火災、8500戸緊急点検へ
ガス管腐食放置で爆発火災、北ガス子会社が8500戸点検

ガス会社の信頼揺らぐ爆発火災、腐食指摘も「緊急性低い」と放置

家庭に安全なエネルギーを供給するというガス会社の信頼性が、深刻な揺らぎを見せている。札幌市手稲区の住宅街で5人が死傷したガス爆発火災を受け、北海道ガスの子会社である北ガスジェネックスは2026年2月17日、会見を開き、火災が同社のプロパンガスに起因すると認め、陳謝した。

4年前の点検で腐食兆候を指摘されながら処置せず

爆発が発生したのは、北ガスジェネ社がコミュニティーガス事業としてプロパンガスを供給する「宮の沢コープタウン」の住宅である。同社によれば、2022年9月に実施された法定点検では「異常なし」と判定されたものの、業務委託会社の点検員が地中ガス管の地上部分「立ち上がり部」に腐食の兆候を発見。写真を添えて補修を提案していた。

しかし、北ガスジェネ社の担当者は「緊急性は高くない」と判断し、処置を行わなかった。住民に対して腐食の可能性や補修の提案も一切伝えられていなかったという。

爆発前日にガス供給量が急増、漏洩の疑いも

事故調査では、爆発前日の2月8日午後5時ごろから、ボンベ庫からのガス供給量が通常時の2~3倍に増加していたことが判明。爆発後に供給を再開した際には通常量に戻っていた。梅村卓司社長は「これをもって漏れていたかは分からない」と述べたが、緊急点検で2軒の住宅から少量のガス漏れを確認しており、いずれも「立ち上がり部」に不具合があったとみられる。

同種ガス管8500戸を対象に緊急点検を実施

北ガスジェネ社は道央地方を中心に133カ所、約3万7000戸にコミュニティーガスを供給している。このうち、爆発住宅と同じ配管を使用する約8500戸を対象に緊急点検を実施する方針を明らかにした。また、北ガスグループは事故原因調査と再発防止のため、事故調査・対策委員会を立ち上げた。

会見に同席した北海道ガスの川村智郷社長は、犠牲者への哀悼の意を示し、遺族や関係者への謝罪を表明。「北ガスグループ全体の総力を挙げて、お客様の安全確保、全容解明と再発防止に取り組む」と述べた。

この事故は、ガス供給における安全管理の甘さと、点検結果の適切な対応の重要性を浮き彫りにした。地域住民の安全確保と信頼回復が、同社に課せられた緊急の課題となっている。