5月下旬に発生した強風の影響により、山形県東根市や村山地域でサクランボ栽培用のビニールハウスが破損する被害が相次いでいる。現時点では収穫量への影響は限定的とみられるものの、資材価格の高騰が農家の経営を圧迫する懸念が高まっている。台風6号の北上もあり、JA山形中央会は1日、吉村知事に対して支援を求める緊急要請を行った。
強風による被害の詳細
県農政企画課によると、5月29日に東根市で最大瞬間風速16.5メートルを記録する強風が発生。同市を含む村山地域のサクランボ畑約38ヘクタールで雨よけ用ビニールが破れる被害が出た。被害面積は全体で約440ヘクタールに及び、これは全栽培面積(約2500ヘクタール)の約2割に相当する。
農家の対応と課題
JA山形中央会によると、多くの農家は既に応急修理を完了しており、今年の収穫量への影響は限定的とみられる。しかし、ビニールの価格は昨年の1.5倍に高騰している。不作と物価高に悩む農家の中には、昨年使用して劣化したビニールを買い替えずに再利用したケースが多く、そのことが被害拡大の一因となったと指摘されている。
台風6号の接近と収穫への影響
北上中の台風6号の影響で、3日には県内でも風雨が予想されている。主力品種「佐藤錦」は6日頃から収穫を控えており、3年ぶりの収穫量1万トン台回復に向けて正念場を迎えている。農家は今後の天候に神経をとがらせている。
要望書の内容と知事の応答
JA山形中央会が提出した要望書では、応急修理ではビニールなどに傷が残ったままであり、早期の交換が必要だと指摘。修繕費用について農家への補助を求めた。これに対し、吉村知事は「サクランボは県の代表的な果物。農家の皆さんが営農を断念しないように対策を検討する」と応じた。
JA山形中央会の安孫子常哉副会長は「農業はもちろん、観光や飲食業にとってもサクランボは外せない。しっかり生産量を確保するために、支援をお願いしたい」と訴えた。



