愛知県蒲郡市の中央公園にある戦没者慰霊平和塔が、老朽化による危険な状態を理由に、2026年10月から解体されることになりました。この塔は世界的な建築家として知られる故・黒川紀章さんが設計し、1977年の完成以来、平和のシンボルとして長年にわたり市民に親しまれてきました。
塔の特徴と歴史
塔は一辺の長さが46メートルの正三角形の広場に、高さ20メートルの塔が2本並立するユニークな形状です。厚さ10センチの大理石で覆われた鉄筋コンクリート造りで、両手を合わせたような形が印象的です。底部には奉納室が設けられ、日清戦争、日露戦争、太平洋戦争で亡くなった市民の名簿が納められています。
建設当時の話題
建設費は約9千万円。市と市戦没者慰霊奉賛会が維持管理を担い、毎年塔の前で戦没者慰霊祭が営まれてきました。完成当初はその豪華さと独創的なデザインで注目を集め、多くの人々が訪れる観光スポットにもなっていました。
老朽化の進行と解体決定
しかし、2024年3月に大理石の一部が剥離し、2カ月後には崩落するなど危険な状態に。市は安全対策として塔の周囲への立ち入りを禁止し、2026年3月までに約5020万円をかけて解体する方針を固めました。解体後の利活用方法は未定で、市は7月6日に説明会を開き、市民の理解を求めます。
市民の反応
公園を訪れていた80代の女性は「戦時中の話を親族からよく聞いていました。平和のシンボルが取り壊されるのは、市民の平和への願いが消えてしまうようで寂しい」と語り、解体を惜しみました。
今後の予定
説明会は7月6日午後6時30分から、市役所北棟集会室で開催されます。市は市民の意見を聞きながら、今後の公園の在り方を検討していく方針です。



