インバウンド排斥のうねり、SNSで拡散 鍵は「還元」 京都・高台寺岡林院の事例
インバウンド排斥のうねり、SNSで拡散 鍵は「還元」

連載「不安の正体」多民社会シリーズ第2部④。京都市中心部を歩けば、聞き慣れない言語が飛び交う。2025年の訪日客数は4270万人と過去最多を更新し、消費額は約9.5兆円に達した。政府は2030年に6000万人を目指す。しかし、SNSを開けば外国人客(インバウンド)への排斥的な投稿が頻繁に目に入る。

排斥的な言説の発生源

排斥的な言説はどこから生まれるのか。SNS上の排他的言説の現状を取り上げる。投稿が急速に拡散する背景には「チェリーピッキング」があり、解決のポイントは「還元」にあるとされる。

京都の寺の事例

インバウンドに関するSNS投稿で大きな反響があった京都の寺、高台寺岡林院を訪ねた。京都市東山区、清水寺や八坂神社近くの一角にひっそりとたたずむ同院。一般非公開で、大通りから「ねねの道」の参道を入った奥にある。

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同院の青山公胤(こういん)住職(41)が昨年2月にX(旧ツイッター)に投稿した内容が広く反響を呼んだ。きっかけは、寺への参道をふさぐ乗用車を見かけたこと。注意すると、車内の男性が「白タクじゃねーよ!殺すぞ!」と怒鳴った。青山さんによれば、男性はアジア系で、カタコトの日本語だったという。

青山さんは2年間の米国留学で英語が堪能で、国籍を問わず交流するのが好きだ。一方で、一部の外国人旅行客が一般公開していない寺に入り込んだり、注意すると中指を立てたりすることに疲れ切っていた。そうした中、この日の出来事で黙っていられなくなり、Xに体験を書き込み「申し訳ありませんが、共存は無理だと思います」と結んだ。

SNSでの急速な拡散

投稿は瞬く間に拡散し、「○○人はそんな生意気なことを言うのか」「○○人の入国禁止を求めるべき」などのコメントが寄せられた。専門家は、マナー問題を外国人観光客の資質に還元すると本質を見誤ると指摘する。

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