証券取引等監視委員会は5日、外資系ネット証券の「moomoo(ムームー)証券」(東京)に対し、業務改善命令などの行政処分を出すよう金融庁に勧告した。同証券への検査で、新NISA(少額投資非課税制度)の対象ではない金融商品を対象のように偽って販売したほか、不正取引の届け出義務を怠るなど、内部管理態勢に重大な不備が見つかった。
新NISA対象外のETFを販売
監視委によると、moomoo証券は、新NISAの対象ではない米国のETF(上場投資信託)なども対象に含まれるとして勧誘。顧客60人が計26銘柄をNISA口座で売買した。この行為は、投資家に誤った情報を提供し、制度の趣旨を損なうものだ。
不正取引の届け出も不備
また、不正の疑いのある取引については金融庁などに届け出る必要があるが、moomoo証券は、口座開設を断った場合などは届け出る必要がないと誤った認識をしていた。そのため、2023年9月から25年7月までの間、顧客延べ1531人に関して届け出が必要か検討していなかった。このような認識不足は、市場の公正性を損なう恐れがある。
システムリスクへの対策も不十分
ほかにも、サイバー攻撃への対策に不備があったほか、システム障害の原因究明が不十分などシステム上のリスクに対する備えが足りなかった。これにより、顧客の資産や取引に影響が及ぶ可能性がある。
moomoo証券の概要
moomoo証券は、香港のオンライン証券大手の日本法人。シンガポールなどでも事業を展開している。日本では証券会社を買収する形で23年から個人向けサービスを開始。16万の証券口座を抱え、預かり資産は約1700億円。今回の勧告を受け、同社の今後の対応が注目される。



