タイ人少女人身取引事件でブローカー役の男を再逮捕 不法就労助長容疑
東京都文京区のマッサージ店で働かされていたタイ国籍の当時12歳の少女が人身取引被害者として保護された事件で、警視庁は2026年2月17日、この店のマネジャーだったタイ国籍のプンシリパンヤー・パカポーン容疑者(38)を出入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで再逮捕したと発表しました。容疑者はすでに児童福祉法違反で逮捕・起訴されており、今回が二度目の逮捕となります。
ブローカー役を担い30~40人の女性を紹介か
警視庁保安課の調べによると、プンシリパンヤー容疑者はタイ人向けのSNSや知人を介して、国内外の30人から40人に及ぶタイ国籍の女性をこのマッサージ店に紹介していたとみられています。このことから、同庁は容疑者が「ブローカー」の役割を担っていたと判断しています。
具体的な容疑は、経営者の男(52)と共謀して2025年6月28日から30日にかけて、資格外活動の許可を受けていない少女を店の従業員として働かせたとされる不法就労助長です。容疑者は「少女の母親から短期滞在と聞き、日本で働けないことを知っていた」と供述し、容疑を認めているとのことです。
少女は母親に置き去りにされ日本で働かされる
被害に遭った少女は母親と2025年6月27日に来日しましたが、母親だけが2週間後に出国し、少女は一人取り残される形となりました。その後、少女はマッサージ店で働かされた後に保護され、同年12月にタイへ帰国しています。母親は人身取引に関与した疑いでタイ警察に逮捕されました。
プンシリパンヤー容疑者は以前、少女に男性客相手のわいせつな行為をさせたとして児童福祉法違反(淫行させる行為)で2026年1月に逮捕・起訴されています。当初は容疑を否認していましたが、後に認め「短期滞在のタイ人女性を雇っていた」と説明していたと伝えられています。
日タイ両国の捜査機関が連携して全容解明へ
この一連の事件を受けて、警察庁と警視庁は2026年2月に職員をタイへ派遣し、現地警察と捜査協力について協議を行いました。警視庁の担当者は「国境を越えた人身取引事案に対抗するために協力は必要不可欠です。全容解明に向けて捜査を進めます」と述べ、国際的な連携の重要性を強調しています。
摘発されたマッサージ店が入居する部屋では、2025年11月4日に家宅捜索が実施され、明かりがともっている様子が確認されました。この事件は、未成年者を巻き込んだ組織的な人身取引の実態を浮き彫りにするとともに、国際犯罪に対する捜査協力の課題も提示しています。